ドラマ「水平線のうた」トークショーレポート(加藤登紀子さん)
更新日:2025年3月14日
2025年3月1日及び3月8日に、石巻市で撮影されたNHKのドラマ「水平線のうた」が放送されました。
同年3月8日、NHK仙台放送局では、加藤登紀子さんをゲストに迎え、「大好き♡東北 定禅寺しゃべり亭」公開生放送及び「水平線のうた」上映会&トークショーが行われました。

東日本大震災をはじめ、能登半島地震や阪神淡路大震災など、度々被災地に足を運び、歌声と共に人々に寄り添ってきました。
2024年秋に歌手生活60周年を迎え、2025年4月からは、60周年を記念するコンサート「加藤登紀子 60th Anniversary Concert 2025 for peace 80億の祈り」で全国を巡ります。
また、俳優としては、映画「居酒屋兆治」で名優・高倉健さんと共演、ジブリアニメ「紅の豚」で声優として活躍。
東日本大震災から14年を迎えた2025年3月には、石巻市と女川町を舞台にしたドラマ「水平線のうた」に出演されました。

同作は、阿部寛さん演じる石巻市のタクシー運転手・賢次が、震災の津波で行方不明の妻子が遺した曲を発見したことをきっかけに、音楽を通して大切な人への想いを繋ごうとする人々の物語です。
加藤さんは、賢次の妻の恩師・菊池敏子を演じました。
加藤さんは、会場に集まった観客を見て「(顔を見るだけで)もう泣けちゃう。それくらい今日集まった人たちに惹きつけられている。駆け寄って話したい顔が並んでいる。東北の人たちは表情が深い。」と語りました。
「主人公が開催する演奏会のシーンの観客も地元の方たちだったので、その状況を思い出した。本当に熱い交流があった。震災から14年、色んなことを抱えながらこの地域で生き抜いてきたという空気が客席に満ちていた」と撮影当時を振り返りました。
ドラマ前編の冒頭で、石巻を俯瞰した風景が映るシーンに触れ、「撮影のときもずっと窓の外を見ていた。本当に空が広いなって。もっとここには街があったのにと、胸が締め付けられた」と言います。
また、若い世代の共演者やスタッフが多い現場で、加藤さん自ら震災前の街の様子を伝える場面もあったと明かしました。


加藤さんは普段から曲を作るときにピアノを使うものの、聴いてもらうために演奏するのは初めての経験だったため、レッスンを受けて猛練習。
他の出演者もそれぞれの役が大きな想いを抱えているからこそ、皆で一生懸命に楽器を練習して撮影に臨んだと言います。
主人公・賢次に寄り添って後押しをするという重要な役どころを演じる加藤さんですが、撮影はほとんど素の自分だったと言い、「加藤登紀子として出演するけど、菊池敏子です、みたいな。はじめから加藤登紀子であることを忘れて全く違う人で演じようとも思ったけど、監督に相談したら加藤さんっぽくていいですと言われたので、その間みたいな気持ちで演じた。私が加藤登紀子としてステージに上がった時よりも素顔の自分に近かった」と振り返りました。

「避難所で気丈に振る舞う方がいて、私は廊下ですれ違ったときに思わず抱きしめた。そしたら、その方が私の腕の中で泣いてくれて、良かったと思った。その光景が忘れられない。実際に経験していない私にはどうしたらいいか分からないけど、私にできることはそれしかないんだなって思った」
「皆悲しい思いでいる中で、周りの人に寄り添っている姿を色んな場面で見たのが印象的だった」と、加藤さんが実際に現地を訪れ、現地の人たちと交流した出来事を交え、被災地への想いを語りました。

「日本は災害が多い。次の災害が起きると前の出来事のように思ってしまうが、14年って短い時間だろうと思う人もいる。ただ、素晴らしいと思うことは、その時小さかった子供が成長して大人になっている。その時間の変化を見たときに、時って止まっていないんだと思い、嬉しかった。ドラマでも、りらという少女の存在がとても大きく、14年という時間をどう捉えるかがすごく大事。」
ドラマ後編の『音楽には人を好きな自分に変える力がある、そう思うの。泣きたければ泣けばいい。忘れたければ忘れればいい。思い出に浸っていたければ思う存分思い出の中にいればいい。皆それぞれが好きな自分に帰っていけるそんな音楽祭』というセリフに触れ、「色んな場所で出会ってきた人たちに応える意味でこのセリフを言った」と明かしました。
「音楽だけじゃなく、好きな自分に帰れる方法や好きな自分でいようという気持ちを日々の中で持つように。好きな自分に帰ってみてください」と締めました。

同年3月8日、NHK仙台放送局では、加藤登紀子さんをゲストに迎え、「大好き♡東北 定禅寺しゃべり亭」公開生放送及び「水平線のうた」上映会&トークショーが行われました。
「定禅寺しゃべり亭」公開生放送
歌手生活60周年を迎えて
加藤さんは、「百万本のバラ」や「知床旅情」など数々の名曲を届け、今もコンサートで全国を飛び回り、精力的に活動されています。東日本大震災をはじめ、能登半島地震や阪神淡路大震災など、度々被災地に足を運び、歌声と共に人々に寄り添ってきました。
2024年秋に歌手生活60周年を迎え、2025年4月からは、60周年を記念するコンサート「加藤登紀子 60th Anniversary Concert 2025 for peace 80億の祈り」で全国を巡ります。
また、俳優としては、映画「居酒屋兆治」で名優・高倉健さんと共演、ジブリアニメ「紅の豚」で声優として活躍。
東日本大震災から14年を迎えた2025年3月には、石巻市と女川町を舞台にしたドラマ「水平線のうた」に出演されました。
ドラマ「水平線のうた」に出演
「テレビドラマ(への出演)は4年ぶりだけど、本格的な俳優としての仕事は何十年ぶり」と語る加藤さん。同作は、阿部寛さん演じる石巻市のタクシー運転手・賢次が、震災の津波で行方不明の妻子が遺した曲を発見したことをきっかけに、音楽を通して大切な人への想いを繋ごうとする人々の物語です。
加藤さんは、賢次の妻の恩師・菊池敏子を演じました。
加藤さんは、会場に集まった観客を見て「(顔を見るだけで)もう泣けちゃう。それくらい今日集まった人たちに惹きつけられている。駆け寄って話したい顔が並んでいる。東北の人たちは表情が深い。」と語りました。
「主人公が開催する演奏会のシーンの観客も地元の方たちだったので、その状況を思い出した。本当に熱い交流があった。震災から14年、色んなことを抱えながらこの地域で生き抜いてきたという空気が客席に満ちていた」と撮影当時を振り返りました。
ドラマ前編の冒頭で、石巻を俯瞰した風景が映るシーンに触れ、「撮影のときもずっと窓の外を見ていた。本当に空が広いなって。もっとここには街があったのにと、胸が締め付けられた」と言います。
また、若い世代の共演者やスタッフが多い現場で、加藤さん自ら震災前の街の様子を伝える場面もあったと明かしました。
「水平線のうた」上映会&トークショー
出演に当たって
加藤さんにとって4年ぶりのドラマ出演となる今回、「震災直後から何度もコンサートで石巻や女川、気仙沼に行っていたので、今回のドラマに呼んでいただけて嬉しかった」と出演を決めた想いを明かしました。加藤さんは普段から曲を作るときにピアノを使うものの、聴いてもらうために演奏するのは初めての経験だったため、レッスンを受けて猛練習。
他の出演者もそれぞれの役が大きな想いを抱えているからこそ、皆で一生懸命に楽器を練習して撮影に臨んだと言います。
主人公・賢次に寄り添って後押しをするという重要な役どころを演じる加藤さんですが、撮影はほとんど素の自分だったと言い、「加藤登紀子として出演するけど、菊池敏子です、みたいな。はじめから加藤登紀子であることを忘れて全く違う人で演じようとも思ったけど、監督に相談したら加藤さんっぽくていいですと言われたので、その間みたいな気持ちで演じた。私が加藤登紀子としてステージに上がった時よりも素顔の自分に近かった」と振り返りました。
被災地への想い
東日本大震災後の東北について、「まだ新幹線が通っていない中、PA装置と支援物資を積んで岩手県山田町の避難所に車で向かった。お酒を持って行こうとしたけど、周りに止められ、酒饅頭を持って行ったらすごく喜ばれた。避難所の外にあるテント張りの復興食堂でライブをしたとき、一升瓶持ってきた人がいてびっくりした。やっぱり皆お酒を飲みたがっていたと思ったら、それは津波で流された蔵の最後の一本を届けてくれたもので、皆で一口ずつ味わった」「避難所で気丈に振る舞う方がいて、私は廊下ですれ違ったときに思わず抱きしめた。そしたら、その方が私の腕の中で泣いてくれて、良かったと思った。その光景が忘れられない。実際に経験していない私にはどうしたらいいか分からないけど、私にできることはそれしかないんだなって思った」
「皆悲しい思いでいる中で、周りの人に寄り添っている姿を色んな場面で見たのが印象的だった」と、加藤さんが実際に現地を訪れ、現地の人たちと交流した出来事を交え、被災地への想いを語りました。
震災から14年
能登半島地震や阪神淡路大震災など、度々被災地に足を運ぶ加藤さん。「日本は災害が多い。次の災害が起きると前の出来事のように思ってしまうが、14年って短い時間だろうと思う人もいる。ただ、素晴らしいと思うことは、その時小さかった子供が成長して大人になっている。その時間の変化を見たときに、時って止まっていないんだと思い、嬉しかった。ドラマでも、りらという少女の存在がとても大きく、14年という時間をどう捉えるかがすごく大事。」
ドラマ後編の『音楽には人を好きな自分に変える力がある、そう思うの。泣きたければ泣けばいい。忘れたければ忘れればいい。思い出に浸っていたければ思う存分思い出の中にいればいい。皆それぞれが好きな自分に帰っていけるそんな音楽祭』というセリフに触れ、「色んな場所で出会ってきた人たちに応える意味でこのセリフを言った」と明かしました。
「音楽だけじゃなく、好きな自分に帰れる方法や好きな自分でいようという気持ちを日々の中で持つように。好きな自分に帰ってみてください」と締めました。
関連情報
- ドラマ「水平線のうた」長尺版の放送は、NHK-BSで3月15日(土曜日)午前11時10分から午後1時 ドラマ前後編に未公開シーンを追加した長尺版です。
- 「水平線のうた」上映会&トークショーの様子は、3月16日(日曜日)午後1時5分より、NHKの「大好き♡東北 定禅寺しゃべり亭」総集編で放送予定です。
- 3月8日放送「大好き♡東北 定禅寺しゃべり亭」は、NHKプラス見逃し配信で3月22日(土曜日)午前11時54分までご覧いただけます。
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