令和元年12月20日 「ライドシェア」と称する「白タク」行為の容認に反対する意見書
石巻市議会にて提出された意見書の内容について掲載します。
「ライドシェア」と称する「白タク」行為の容認に反対する意見書
少子高齢化社会が急速に進展する中、タクシー事業は、地域公共交通の一つとして、ドア・ツー・ドアの便利な個別輸送機関としての機能に加え、多様化する利用者のニーズに対応し、スマートフォンによる配車サービスの普及促進、ユニバーサルデザインタクシーや観光タクシーの充実、地元自治体等の要望を踏まえた乗り合いタクシーの展開強化を行うなど、地域住民や交通弱者のための移動手段として大きな役割を果たしている。特に、本県においては、東日本大震災以降、被災住民の移動手段となるべく尽力しているとともに、震災から約8年9ヶ月が経過し、復興・創生期間という新たなステージの中で、地方創生の担い手の一員としても重要な役割を果たしている。
しかしながら、昨今、シェアリングエコノミーの成長を促すという名目のもと、インターネットを利用した「ライドシェア」と称するいわゆる「白タク」行為の容認を求める動きが出ている。「ライドシェア」は、その事業主体が、運行管理や車両整備等について責任を負わず、自家用車の運転手のみが運送責任を負う形態を前提としており、道路運送法、道路交通法、労働基準法等のさまざまな法令を遵守し、安全確保のためのコストをかけ、国民に安全・安心な輸送サービスを提供するタクシー事業の根幹を揺るがすとともに、議員立法により平成25年11月に改正されている特定地域及び準特定地域における一般乗用旅客自動車運送事業の適正化及び活性化に関する特別措置法の意義を損なうものである。
よって、国においては、地域公共交通の重要性に鑑み、国民の安全を脅かすとともに、地方創生の担い手である地域公共交通に大きな混乱をもたらす「ライドシェア」と称する「白タク」行為を容認することのないよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和元年12月20日
衆議院議長 殿
参議院議長 殿
内閣総理大臣 殿
国土交通大臣 殿
内閣府特命担当大臣(規制改革) 殿
宮城県石巻市議会
議長 木村 忠良
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