令和2年9月24日 東北電力株式会社女川原子力発電所2号機の再稼働に関する意見書
石巻市議会にて提出された意見書の内容について掲載します。
東北電力株式会社女川原子力発電所2号機の再稼働に関する意見書
平成23年3月11日午後2時46分に発生した東日本大震災以降、東北電力株式会社の女川原子力発電所は、長期間の運転停止状態が続いている。
東京電力福島第一原子力発電所の事故の反省から、国は原子力発電に関する規制を大幅に強化し、新規制基準を策定した。この基準のもと、原子力規制委員会は、176回の審査会合を経て、令和2年2月26日に女川原子力発電所2号機の安全審査の合格を正式に発表したところである。
我が国のエネルギー政策においては、新規制基準に適合し安全が確認された原子力発電所は再稼働を進め、ベースロード電源として引き続き利用していくこととしている。
エネルギー資源に乏しい我が国において、準国産エネルギーとされる原子力発電の停止は、海外へのエネルギー依存度を過度に高め、エネルギーの安全保障を脅かすと共に国富の海外流出という国家経済に大きな損失をもたらしている。
近年の日本における自然災害は、過去例を見ないまでの大規模化、深刻化しており地球温暖化がその原因と言われている中、原子力発電所の利活用は、我が国の温暖化対策の柱であり、安全が確認された原子力発電所の早期再稼働により、国際社会に対し日本が地球温暖化問題に果たす役割を強く示していくことが必要である。
一方、本市においては東日本大震災で甚大な被害を受け人口の減少や少子高齢化の進行により購買力及び労働力の大幅な減少や新型コロナウイルス感染拡散防止により商工業を取り巻く経済環境は非常に厳しい状況にある。
更に、石巻広域圏の経済循環を支える企業の一つである東北電力女川原子力発電所が運転を停止したことによる原子力発電所関係者の往来の減少等により、石巻広域圏の経済循環は低調に推移している。
また、東日本大震災後の市内の経済循環を支えた復旧・復興工事関係も本年度で最終年度となり、今後、その経済効果が見込めないことを憂慮する一方、震災前を顧みれば原子力発電所関係者の往来による宿泊事業や飲食業などへの石巻広域圏への経済波及効果は非常に大きいものであった。
国は原子力規制委員会が新規制基準に適合すると認めれば、その判断を尊重し自治体との合意形成の過程を経た上で原子力発電所の再稼働を進めることとしている。
ついては、女川原子力発電所が早期に再稼働することによって、石巻広域圏への経済活動の活性化に繋がり、多くの波及効果を生むことが期待されることから、再稼働について希望するものであり、上記の要旨について強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和2年9月24日
宮城県知事 殿
宮城県石巻市議会
議長 大森 秀一
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