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震災復興ビジョン懇談会1

更新日:2017年11月7日

石巻市震災復興ビジョン有識者懇談会

  • 日時:第1回 平成23年5月15日 日曜日 13時30分より
  • 会場:石巻市役所 市長室
  • 趣旨:未曾有の被害からの復旧・復興に向け、各界有識者の方々から、復興に向けたビジョンや提言をいただき、安全で住みやすいまちづくりをめざす「復興基本計画」を策定するもの。


有識者(順不同)

  • 東北大学大学院工学研究科 今村文彦教授
     詳細については関連ファイル「今村文彦教授 資料その1、資料その2」をご覧ください。
  • 東北大学大学院都市建築学研究科 小野田泰明教授
     詳細については関連ファイル「小野田泰明教授 資料」をご覧ください。
  • 石巻専修大学 重川希志依教授
     詳細については関連ファイル「重川希志依教授 資料」をご覧ください。
  • 減災・復興支援機構 木村拓郎理事長
  • 東北学院大学教養学部地域構想学科 柳井雅也教授
     詳細については関連ファイル「柳井雅也教授 資料」をご覧ください。

 

要点記録(事務局作成、未定稿のため後日修正される場合があります。)

1.担当者からの説明

    1. (復興対策室/星室長)
      関連ファイル「東日本大震災における石巻の最新の被害概況について」をご覧ください。
    2. (基盤整備課/高田課長)
      関連ファイル「石巻の都市基盤整備復興について」をご覧ください。

2.要旨

(今村委員)
  • 現在東北大学で東日本大震災により何が起きたのかデータを整理している。防災に強いまちづくりを皆さんと考えて行きたい。
  • 余震活動がまだ大きく、これに宮城県沖地震が含まれているかは断定できないが、マグニチュード7クラスの地震が発生する可能性はある。また余震とは別に連動性の地震の可能性や海溝より少し沖側で正断層タイプの起きる可能性も懸念材料となっている。
  • 今回の津波の規模は、明治以降の過去の津波の3倍どころか10倍以上違う。津波の規模はどれだけ遡上したのかだけでなく、浸水面積、流速、継続時間が大切である。東北大学では、浸水域分布を詳細に調査してエリアをGPSで決め推計している。また、家屋の判定をおこなっており、注目して欲しいのは流失家屋、北上川の右岸・左岸が非常に大きい。全壊、半壊などを1ヵ月半調査しており、浸水図に載せている。計画プランへの参考として欲しい。
  • 被害が大きくなった原因として津波と浸水深との関係がある。外力と津波の浸水深と被害の程度を被害関数で評価して、被害率がわかる判断材料として使ってもらえるよう検討をしている。
  • 防潮林の被害は少なかったが、本来背後地を守ってくれるはずが残念ながら守りきれないところもあり今後、きちんと評価し、今後の活用を議論していただきたい。

 

(小野田委員)

  • 津波をどう行政が汲み取って計画に位置づけていくかシステムの話をしたい。石巻は多様な海岸線により津波被害の複雑さがある。専門家による正確なレビューと本腰での参画、各種情報の集約化と共有が欠かせない。
  • 石巻は、さまざまな特性を持っている。例えば知名度の高い雄勝スレートを使うことなど、エリアごとにアプローチを考えるべきである。そしてスピード感のある展開が必要、復興基本計画の素案は夏前には方針を出すべきである。
  • 未来を見据えた大きなビジョンのタネを埋め込んでおく、絵やワークショップ、共同研究などにタネを埋め込んで置く必要がある。
  • スピードを上げるためのコンパクトな意思決定が必要である。釜石市では市長の直下にプロジェクトチームがあり、局長がかなりの権限を持って統合を図っており、意思決定が早い。
  • 不足しているマンパワーの調達するためには、例えば建築学会、土木学会と連動し呼び込み、高度な専門的人材を長期的に調達する必要があり、教育研究機関との包括協定の締結が必要である。
  • 事業化までの巧みなプロセス設計が必要、計画の立案を優先すると合意調達や事業化で躓く、若干初動が遅れるが、包括的なまちづくり会議の準備をするのが賢いパブリック・インボルブメントのあり方である。

 

(重川委員)

  • 地震、津波だけでなくマルチなハザードを念頭におくべき、死者の発生の多くは、地震の震動、津波、火災による災害要因であり、建築物の耐震性や津波に対しての対応策、不燃化や水害対策などの風水害、海水面の上昇などが課題としてある。特に地盤沈下による影響が出ており大きな視点である。自然災害だけなく、子どもや高齢者が安心して暮らせる安全なまちづくりの視点も必要である。
  • 絆と協働による共鳴社会の構築として、効果的で効率の良い被災者サービスの提供をするべきである。復興というと絵とかビジョンをつくることを念頭に置くが、今の問題を解決することが重要であり、最終的に市全体が復興することとなる。
  • 煩雑な手続きの住宅の応急修理や罹災証明書の発行などに多くの市民が並び、別々の窓口で行われており、モニタリングや制度の一本化を行う接やる必要がある。また、被災者が、同じ説明を何度もしなくていいように記録を取って、継続的なサービスができるように被災者カルテのような情報の共有化が必要である。
  • 2004年の新潟中越地震でも高校生、大学生がすばらしい能力で活躍した。若い人のビジョン、意見を反映させるべき、それを見た大人が背中を伸ばす。
  • 石巻市職員の志気、元気の維持が必要。復興のセクションについた人が孤立していく、1年後が被災者が大変な時期であり、そのときに職員が疲弊することは避けるべき、復興ビジョンを成し遂げるまで体制の継続が必要である。
  • 自由な産業経済として、現地に来なくてもできるインターネットによる環境整備支援を行政としても行うべき、また、市民もわかる元気が出るような3年後とかの尺度が必要。例えば解雇ゼロや大学進学率が震災前より増加するなど、見える化が必要である。

 

(柳井委員)

  • 産業経済の視点としてお話したい。今後は人口減が大きくクローズアップされてくる。一番いいのは職を作って若者が出て行かないようにする。地域経済循環を早く作り、お金を地域の中で廻していくことである。その際、復興のために産業経済と防災と折り合いをつける必要がある。
  • 立町商店街も最盛期に比べるとシャッターが半分以上降りている。地域経済の循環を活性化するには、職住分離ではなく、職住近接である。いまこそ、マーケットが作れるコンパクトシティを採用した方がいい。また、いままでは国道のため歩行者天国やイベントができなかったが、震災総合特区の指定を受けて活用することも考えられる。
  • 高台居住にしなくても、セットバックや浸水していない地域などを使うなど、土地利用の有効活用などやり方はあるのではないか。100年先を考えても高台では行政サービスのコストが長くかかる、知恵が必要ではないかと考える。
  • 工場の建屋があったお陰で後背地は残っている場所がある。ある方が言っていたが、3階建て以上のRC造とし、1階は駐車場として津波をかわし、2階は加工場、3階は事務所と非常用の電源、屋上は避難場所として逃げられる空間を作ることも考えられる。
  • 中小企業には無担保融資などの資金的な支援が必要、また、大企業の空いている敷地やガスタービンを非常用電源にするなども考えられる。
  • 漁業とも係わるが、食品加工業などは移転する可能性もあり、スピード感を持って復活させる必要がある。また、漁港の集約化については漁法の違いや遠洋なのか、近海なのか養殖なのかによって違い、難しいと考えている。
  • 中瀬を観光拠点として重要な地域であり、漫画館を活用し、新しく再構成される商業地区と結びつけるべきである。
  • 地場産業を大きく捉えるべき、民の力としてコミュニティビジネスやいろいろ問題はあるがPFIなど民の力を取り込む施策が必要である。また、産業の強さがまちづくりであり、スマートシティ構想を提案したい。また、石巻専修大学を核とした人材育成と国際化の推進として協力頂くことも考えられる。

 

(亀山市長)

  • 柳井先生の職住近接の話しだが、石巻は多様な地域から構成されている。雄勝は壊滅しており、被災者は高台に住み働きたいと考えている。分離しなければならない地域もあり、中心市街地は職住近接で産業を図ることは必要だと思う。

 

(柳井委員)

  • 県の中でどう位置づけるのかという議論から構想している。住んでいる方の意向を優先すべきであり、それは尊重すべきと考えている。ただ、やみくみもに高台移転だけの議論とならないよう工夫すべき。

 

(亀山市長)

  • この想定外の地震・津波に対応した災害に強いまちづくりをするためにはある程度、政治主導で動かすことも必要である。20年後、30年後の未来を考えた場合、同じ場所に街を造り災害が来た場合、誰が責任を取るのかのということになる。
  • 山を削ればある程度の高台は確保できる石巻全体でも災害にあわなかった場所もある。ただ、中心市街地の場合は、災害に強いまちづくりにするために議論は必要である。

 

(今村委員)

  • 高台移転の有り無しについて、考え方は2つある。第1段階は今の地形、防護ラインでのゾーニングなど40年周期でどこまで津波が来るのか、浸水だけなのか破壊があるのか、そういった状況をきちんとマップに示すことで土地利用のゾーニングができる。
  • 第2段階は対応するレベルを決める。防災施設中心に守るレベルとそれを越えるレベル、その際は避難計画を加えるレベルとなり、各地域でおおまかに見えてくる、場合によっては、植樹や地形特性や津波の外力、安全レベルによる。

 

(亀山市長)

  • 防潮林の役割は大きいと考えるが、長浜海岸の松林があったが、役割はどう考えたらいいのか。

 

(今村委員)

  • 今回、防潮林の強度、津波に対してどれだけ維持にできるかについてデータがある。防潮林は林帯幅が大切、2次元な回りこみとか空間的なデザインが必要である。

 

(小野田委員)

  • 国交省ではマイクロゾーンとして、レベル1、レベル2として、相当細かくその場所に当てはめて整理しているが、メディアに取り上げられると高所移転かそう出ないかで単純化されてしまう。ゾーニングの話しをどうするか、なかなか統合化しない、市長は科学的なデータに基づいて防災対策を考えておられチャンスと考えている。

 

(重川委員)

  • 大船渡では、家のどこまで水がきたかを市民が地区班カルテとして地図上に落とし込んでおり、市民参加の第一歩となっている。次にその土地をどう使うか、将来に向けての財産となる。

 

(木村委員 VTRでの提言)

  • 将来を考えると公共施設の役割や位置関係を検討していただきたい。気になっているのはライフラインの復旧の遅れ、小さな集落を抱え、本庁との情報伝達通信が課題、セットでエネルギ-、防災上の自立性を扱っていただきたい。
  • 基本的には思い切って大胆なことを言った方がいい。津波、地震、火災が全部セットになったトータルで災害に強いまちづくりがいかにあるべきか、この機会に良いまちづくりをしていただきたい。
  • 北上川を抱えているので道路網が寸断されると孤立化してしまう。複数の路線が必要なのか、広域的な道路網で考えるなど災害に強いネットワークが必要である。
  • 復興というとハード系が目に付くが、ソフトの復興が重要である。出来上がるまで地域がどう食いつないでどう繋げていくか気をつけるべきである。復興景気は確かにあり、4年目でガクンと落ちる。それは覚悟して次のステップに備えた仕込みを行うべきである。
  • 攻めの姿勢で復興をやる。石巻が元気になれる要素はたくさんある。早期の復興支援制度の立ち上げや復興支援教室の開催、民間の復興支援チームを導入して今から5年、10年後を考えた活性化の経済再生プログラムを考えるなど、石巻に残るほうが良さそうだと思えるようにすることも安心感に繋がる。
  • 所得倍増計画のようなわかりやすい経済政策が必要。これを機会に新しいネタを生み出したい。石巻の売りは何か、逆手にとって売り込む、ただし、スピード感が重要。勝負は3ヵ月から4ヵ月である。

 

(亀山市長)

  • 商店街は、どうやってつないでいくべきか。

 

(柳井委員)

  • 集客施設や官公庁は街なかに残し、アーケードを退避できるようなペデストリアンデッキ化することやボートの設置、ギャラリーなどの空き店舗活用も考えられる。

 

(亀山市長)

  • ペデストリアンデッキ化は私も非常におもしろいと思う。駅前も1メートル近く冠水しており、そのような空間も必要になるのかと思うので考えたい。

 

(小野田委員)

  • 商業や事業の拠点性を維持することが重要である。嵩上げなど基盤整備には時間がかかり商業者は待てない。タイムラグを稼ぐ必要がある。釜石でも仮設店舗で市街地と連携しながら経済活動を行っている。
  • いまは、前提条件をきっちり抑える。魅力的なものを作るのであれば魅力的な設計者に発注する。いまはどのアイディアがいいかではない。設計者を選ぶときは設計料ではなく、クオリティで選ぶ仕組みがあれば心配していない。
  • 施設の話で言えば、浸水地域に学校が残っている。まちづくりと一体化したコミュニティスクールをどうやって展開するか、釜石では6月に国際的な建築家である伊東豊雄さんがワークショップを行う。アイディア出しをして行政マンが政策決定するなど、知恵をしたたかに仕込む必要がある。

 

(柳井委員)

  • ステークホルダーなどさまざまな人を選んでワークショップを行うべきである。

 

(星室長)

  • 時間や人が足りない中でワークショップをどうやるべきか。

 

(小野田委員)

  • 外の人たちを使うことが重要。アーキエイドやJIA(日本建築家協会)の協力を貰いながら、牡鹿半島の浦のひとつひとつの民意を吸い上げることが重要である。

 

(亀山市長)

  • それはおもしろい。

 

(高田課長)

  • 防潮林の効果などのデータを示しながら、防災をどうするのか、都市づくりの基本であるが、2ヵ月ではまだ早いかもしれないが、高齢化、住まい方など大きな影を落としており、考えてもらうことも必要と考える。
  • 記憶が薄れつつある中で風化させないこと、防災がまちづくりの大きなキーワードである。

 

(今村委員)

  • レベル1、2については、資料を積極的に出して協力したい。被害の教訓を活かす場が必要と考えている。
  • 以下は土木学会の関連ページ(関連リンクの「土木学会」をご覧ください。)である。

 

(産業部長)

  • 産業はスピードが一番、仮設店舗を街なかと魚町で考えている。街なかについては相当な熟度で進んでいる。安全体制を構築して早く水揚げを確保したい。

 

(総務部長)

  • 阪神淡路大震災の場合、その場しのぎではないが職員を採用して、将来の財政負担に重くのしかかってくる。全国からの応援を含め考えたい。

 

(建設部長)

  • 基盤整備のまちづくりを説明し、市内の状況をわかってやっているが、想定外の津波もあり、外から見た場合のアドバイスや情報提供を今後ともお願いしたい。

 

(亀山市長)

  • 復興に向けて、早い段階からいろいろな協力を頂きながら行っていきたい。今日だけではなく、復旧に向けて連携協力いただきたく、東北大学などさまざまな機関と連携していきたく、協定を締結させていただき積極的に復興に関わって頂きたい。

 

以上

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