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校内研究

令和2年度 校内研究 研究主題

「確かな学力を身に付け,主体的に学ぶ児童の育成」
-複式・極少人数学級における学習過程の工夫を通して-(1年次/2年計画)  

1 主題設定の理由

(1) 今日的な課題から

  新学習指導要領では,現代社会を「人工知能(AI)の飛躍的な進化や生産年齢人口の減少,グローバル化の進展や絶え間ない技術革新など,社会は急激に変化し,予測が困難な時代」と述べている。このような状況において,「子どもたちが,学習内容を人生や社会の在り方と結び付けて深く理解し,これからの時代に求められる資質・能力を身に付け,生涯にわたって能動的に学び続けることができるようにするためには,これまでの学校教育の蓄積を生かし,学習の質を一層高める授業改善の取組を活性化すること」が必要であり,「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業改善が学校教育には求められている。また,宮城県においても,全国学力・学習状況調査で国語・算数ともに全国平均を下回ることが続き,宮城県学力・学習状況調査においても基礎学力の定着に課題があることが示された。この結果を受け宮城県では,「学力向上に向けた5つの提言」や,分かる・できる授業づくりの基本的なポイントを示した「みやぎ授業づくりスタンダード」等を策定し,学習指導の改善を進めようとしている。

(2) 学校教育目標の具現化から

 本校の学校教育目標は,「自他を大切にする心を持ち,心身ともに健康で,主体的に行動できる児童の育成」であり,目指す児童像を「思いやりのある子」「体をきたえる子」「進んで学ぶ子」の3つを掲げている。教育目標と児童像の実現のためには,小規模校の特徴を生かした教育課程を編成・実施し,どの子にも確かな学力を身に付けさせるとともに,「少人数指導の良さ」にも目を向け,一人一人の児童に確かな学力を身に付けさせることを目指して研究を進めていくことが重要である。
 そこで,本研究主題の「確かな学力を身に付け,主体的に学ぶ児童の育成」は,課題に対して思考し,表現し,活用していく楽しさを実感し,学習指導要領にある基礎・基本を確実に身に付ける児童の姿を目指しているものであり,本校の学校教育目標の具現化につながるものと考える。

(3) 児童の実態,これまでの実践から

 本校は,全校児童7名,2・3年学級,4年生単学級,5・6年生学級の学級編成となっている。各学年1名,または2名の児童が在籍しており,極小規模の集団生活を送っている。昨年度実施された全国学力・学習状況調査では,国語科においては全国平均を上回り,算数科においては下回る結果となった。すべての問題において無回答はなかった。どの問題に対しても,自分の考えを表そうとする意識は高い。その一方で,問題場面を正確に捉える面において課題が見られる。
 普段の授業では,どの児童も授業の課題に対しては意欲的に取り組む。また,学級の中で異学年同士の交流に対しても,仲良く取り組んでいる。その一方で,複式指導における間接指導の際,与えられた課題に対してしっかりと取り組むものの,「1人学び」に取り組むことに課題が見られる。例えば,課題解決でつまずいた際,教師が直接指導に来るまでそのまま待っていることが挙げられる。また,課題解決が終わった後,そのまま教師が来るのを待っており,確かめたり他の解決方法を試したりする意識が低い。また,児童が1人しか在籍していない学年も複数あり,複式学級での学習や極少人数での学習形態には,様々な角度から考えを導き出すために意見を交流したり,自分の考えを深めさせたりすることが難しい面がある。
 また,牡鹿地区の各小中学校では,小・中学校の9年間で児童・生徒に身に付けさせたい学びの姿を示した「おしかの学び」を共通理解の基活用し,教育活動に当たっている。「おしかの学び」をベースに本校の学習のきまりについても一つずつ確認し,児童に定着させていく必要がある。

「1人学び」・・・1時間の学習過程の中で,課題解決に向けて,児童が1人,ないし2人で調べたり,観察したり,考えたりしながら学習を進め,分かったことやできるようになったことの知識や技能を使って,学習課題を解決していく方法をさす。 

2 研究主題・副題の捉え

 

  今年度の研究においては,「確かな学力」,「主体的に学ぶ」,「極少人数における指導方法の改善・工夫」について,学習指導要領を基にして,以下のように焦点化し,研究を推進していく。


(1) 「確かな学力」とは

   ○ 基礎的・基本的な知識・技能

   ○ 知識・技能を活用して課題解決するための思考力・判断力・表現力

   ○ 主体的に学習に取り組む態度

(2) 「主体的に学ぶ」とは

   ○ 意欲的に学習に取り組み,児童自らの考えを広めたり,深めたりすること

(3) 「複式・極少人数学級における学習過程の工夫」とは

   ○ 複式学級においては,直接指導と間接指導の内容を充実させ,学習活動を無理なく,効率的に行うことができるように,
    2学年の学習過程をずらして組み合わせること   
   ○ 単学級においては,指導の内容を充実させ,学習過程の内容を改善,工夫すること

3 研究目標

 複式・極少人数学級という環境で,授業力の改善・工夫に取り組むことで,確かな学力を身に付け,主体的に学ぶ児童を育てる。 

4 研究の視点及び手立て

 以下の2つの視点と,それぞれの視点の手立てについて検証しながら授業改善に取り組み,研究主題に迫っていきたい。

【視点1】「1人学び」を成立させるための指導の工夫 

  手立て1 1人学びの手順を捉えさせる工夫
  手立て2 ICT機器の活用

【視点2】「1人学び」を成立させるための学習過程の工夫   

 

  手立て1 「読む(音読・微音読・黙読等)」学習の組み合わせ
  手立て2 複式学級における,同時間接指導を取り入れた学習過程
  手立て3 複式学級における,効果的なずらしを取り入れた学習過程 

5 研究の方法

 

(1) 視点への具体的な手立てを基に,授業研究会を実施する。

(2) 事前検討会は,模擬授業等を実施する。また,事後検討会では,視点についての手立てが有効であったかワークショップ型の討議を行い,成果と課題を共有する。また,話合いを基に,授業改善の手立てを共通理解する。
(3) 県教委策定の「5つの提言」「ステップアップ5」等を踏まえた授業改善を図る。
(4) 研究の成果の検証方法として,以下の実践を行う。
  ○ 全国学力・学習状況調査(6年生児童,4月)結果の考察
  ○ 授業における児童の様子やノートの変容の見取り

6 研究組織

  研究推進委員会(校長・教頭・教務主任・研究主任)

  ○授業改善,学力向上対策     ○研究の全体計画の立案及び検討

  ○各学年部,専門部との連絡,調整  ○研究の成果と課題の検証

 研究全体会

  ○研究内容や方向についての共通理解  ○研究内容の決定  ○理論研究 
 
 
 研究主任
 
   ○授業研究会(事前・事後検討会を含む)の企画,運営  ○指導案の基本形式の提案
    ○実態調査やアンケートの実施,結果の考察

 全職員
   ○研究にかかわる校舎内掲示物の原案作成
   ○ユニバーサルデザインを考慮した教室環境の提案
  

7 研究の計画

 (1) 今年度の計画

○校内研究に関わる取組  ◆学力向上サポート事業 ◇その他)

4月

 ○ 研究推進委員会(研究の方向性,研究組織の設定)

 ○ 授業研究会の日程,授業者決定

 ○ 指導案の形式決定,指導主事訪問に向けて確認
 
5月

 ◆ 第1回授業研究会(指導主事訪問)【5・6年生】,事前検討会1・2

 □ 情報教育実技研修会(遠隔授業,ホームページ更新方法)

 
6月
 

 ◆ 第1回授業検討会(指導主事訪問)【5・6年生】,事後検討会

 
 
7月

 ○ 1学期の反省、2学期に向けて方向性の確認

 □ 救急救命法研修会
 
8月

 ○ 「おしかの学び」全大会

 ◆ 第2回授業研究会【2・3年生】事前検討会

9月

 ◆ 第2回授業研究会【2・3年生】事後検討会
 
10月

 ◎ へき地研究大会 授業提供【1・2年生,6年生】

11月

 ◆ 第3回授業研究会【4年生】事前検討会

 ◆ 第3回授業研究会【4年生】事後検討会

12月

 □ 毛筆実技研修会

 ○ 研究のまとめ(成果と課題)

1月
  ○ 全体反省会(まとめ,次年度の方向性)

 ○ 次年度の研究計画の作成