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平成22年度施政方針

更新日:2013年03月09日

1 はじめに

 平成22年「石巻市議会第1回定例会」に「平成22年度各種会計予算案並びに諸案件」を提案するに当たり、市政運営に取り組む所信の一端と施策の大綱を御説明申し上げます。

 はじめに、現在の経済情勢でありますが、経済のグローバル化の進展によって、資本、労働力、技術、情報などの移動が自由化、多様化、高度化する一方、世界規模の競争の激化による貧富の差の拡大や地球温暖化など様々な問題を引き起こしています。

 また、2008年のアメリカの金融不安からはじまった世界同時不況は、百年に一度の規模と言われ、我が国の経済も世界経済の落ち込みに伴う輸出の激減などにより、景気後退が一気に加速し、その結果、企業の大幅な雇用調整が行われ、国民の生活と直結する実体経済においても急激な後退が見られるなど、社会全体を覆う閉塞感、国民に広がる景気不況感は深刻なものとなっております。

 このような中で、基礎自治体である市町村には、地域産業の振興策や少子高齢化対策、安全安心なまちづくりなど、住民に身近な行政サービスの充実が求められているとともに、地方分権の推進とあいまって、これまで以上に足・腰がしっかりとした健全な行財政運営が強く求められているところであります。

 我が国は、高度成長期を過ぎ、人々の価値感も「もの」から「心」へと変革の時代を迎えたと認識しており、これからの時代は、市民の一人ひとりにあまねく広く光があたり、希望と充実感に満ちあふれた「ともに支えあう」社会の構築が必要であると考えております。

 私は、市長として市民の真の幸せを求め、次世代へ太陽の恵みを受け、自然豊かなまちを継承するため、「市民が、豊かな自然環境の中で、このまちに住むことに誇りを持ち、健康で楽しい、充実した人生を送ることのできる舞台づくり」を使命として市政運営を行います。

 そのため、「対話」、「連携」、「行動」という3つの言葉をキーワードに、生活者起点で「対話」を重視し、地域間や産業間の「連携」、そして市民の目線で即座に実行に移す「行動力」を念頭に市民のための「まちづくり」にまい進してまいります。

 現在の石巻市を取り巻く環境は、きわめて厳しい状況にあり、少子高齢化や人口減少に加え、厳しさを増す財政状況といった本市が直面する課題への解決策が求められております。

 このため、私は、雇用対策、福祉対策、地域経済の活性化、地域自治システムや定住自立圏構想の確立及び次世代を担う子どもの育成にかかわる諸事業、さらには、市街地活性化など緊急を有する課題の解決に向け、全身全霊で取り組む決意でおります。

 それでは、このような地方行政、とりわけ本市を取り巻く現状の中で、重点的に取り組むべき施策の考え方について申し上げます。

 まず、「地域資源を活かしたまちづくり」であります。政府では、2020年までの日本の温室効果ガス削減目標について、「1990年と比較して25%削減」とすることを表明しました。

 今後は、資源とエネルギーを浪費する「量の多さと活動の早さ」の時代から、それを大きく削減して再生・有効利用する「質の高い堅実な歩み」の時代へ変え、環境と経済が両立する持続可能な社会を構築することが必要であります。

 そのため、各地域の歴史、文化をはじめ、豊富な食材などの地域資源を最大限活用する仕組みを行政と市民、NPO等との協働・連携により創り上げ、地域力を高め、成長を図る分散自立型・地産地消型社会の確立を目指します。

 次に、「定住できるまちづくり」であります。本市の児童生徒数は、8年後の平成30年度には、平成17年度の合併時と比較して23%以上も減少する見通しであり、特に、6総合支所管内では、宮城県が望ましいとする学校の標準規模に達している小・中学校は1校も存在しない状況となっており、今後もこの様な状況が続くと予想されます。

 また、本市は、市域全体が過疎地域に指定されておりますが、特に、河北、雄勝、北上、牡鹿地区の過疎化が一段と進んでおり、限界集落も11行政区にのぼります。

 引き続き、地域の振興とそこに暮らす人々の生活を支えることが重要であり、各々の地域の厳しい実情を踏まえた総合的な少子化対策が必要であります。

 こうした、少子化に対する対策は、喫緊の課題であり、子育て支援事業の充実をはじめとした地域定住策とともに、雇用対策が最も重要であり、産業振興や企業誘致を積極的に進め、石巻地域の均衡ある発展のために努力します。

 次に、「暮らしと産業に新エネルギーを活かしたまちづくり」であります。人類の共通課題である「地球温暖化問題」でありますが、その原因は、人類が生きることによって生じる大量の二酸化炭素の排出によるものであります。

 このことから地球温暖化を防止し、持続的発展が可能なまちづくりのため、暮らしや産業で食糧以外の生物資源から燃料をつくるバイオマスや太陽光発電など再生可能な新エネルギーを利活用するなど、新たな成長の糧とするグリーン経済への転換を進めます。

 特に、太陽光発電については、一般家庭や他事業所に対する市独自補助制度の充実により、市内電気消費量の10%を将来的に担うことを目指します。

 次に、「いのちの大切さ最優先のまちづくり」であります。障害者や高齢者が生きがいをもって、自立して安心して暮らせるよう、介護、医療等の充実に努めます。

 また、子どもたちが健やかに育つ環境を創るため、郷土の自然や文化・歴史を愛し継承する子どもを育てる教育を進めることが大切であり、子どもの健全育成をはじめ、障害者や高齢者の安全を地域の共通の課題としてとらえ、交通事故や犯罪、虐待等の被害から、家庭のみならず地域で温かく見守る仕組みづくりを目指します。

 次に、「行財政改革」であります。経済情勢の早期好転が望めない中で、歳入の減少が見込まれるため、継続性のある財源の確保と歳出の削減に可能な限り努めることとし、そのためには、「市民の目線・起点」を原点とし、職員定数の削減に継続して取り組み、合わせて肥大化した組織の見直しを行い庁内業務の効率化を図りつつ、行政組織のフラット化、スリム化等、事務事業の実態に即した組織再編成や横断的プロジェクトの活用などを積極的に進めます。

 以上が、重点的に取り組む施策の考え方であります。

 平成22年度当初予算は、私が就任後はじめて編成する予算でもあり、「将来を見据えた市政運営」を行うため、一般財源の確保と経常経費の節減に努め、私のマニフェストを含めた総合計画実施計画を確実に実施するための予算配分を行ったところであります。

 また、子ども手当の創設や公立高校の授業料無償化など政権交代による国の新規施策につきましては、現在、国会で審議中でありますが、本市といたしましては、事業の執行を見込み当初予算に盛り込んだところであります。

 その結果、一般会計では、626億6千万円、土地取得特別会計をはじめとする13特別会計では、410億2,450万7千円、病院事業会計では、62億1,528万5千円、全会計の総額では、1,098億9,979万2千円を計上することといたしました。

 

2 重点施策

  以上のことを踏まえ、6つの分野に沿って、主な施策について御説明申し上げます。

(1)協働のまちづくり

 第1は、「協働のまちづくり」についてであります。

 「ほっとする市民のためのやさしい市政」の実現に向け、市民としての一体感の醸成と各地域の地理的、歴史的、文化的特性を尊重した地域づくりを、そこに住む人々の手によって築いていくという市民と行政との協働による「まちづくり」を行うため、地域住民の代表者や地域まちづくり委員会との意見交換を行いながら各地域の実状に即した「地域自治システム」の構築に取り組みます。

 また、市民双方向型のまちづくりの実現に向け、市民の声を直接市政に反映するため、町内会のほか各種団体との「まちづくり懇談会」等にも積極的に取り組みます。

 「情報公開日本一」を目指した透明性の高い市政運営の推進のため、今まで以上に、市民が必要とする情報をわかりやすく、かつ、迅速に提供できる体制づくりに努めるとともに、ホームページや市報など情報提供内容の充実を図ります。

 特に、市報につきましては、ページ数の拡大に加え、イベントの多い時期には、臨時号を発行するなど、見やすく親しみやすい紙面づくりに努めます。

 また、新庁舎内に設置されます情報公開コーナーにつきましては、ホームページ情報を冊子の形で備えるなど情報提供資料の充実を図ります。

 男女共同参画社会の構築につきましては、基本計画の計画期間が平成22年度で終了することから、引き続き男女が社会のあらゆる分野で平等に参画できる社会づくりを目指し、「第2次男女共同参画基本計画」の策定に取り組みます。

 市のシンボルである新庁舎につきましては、市民と行政との協働のまちづくりを行う拠点施設としての機能を充実させるため、当初計画を見直し、市民開放スペースの拡充などを行いました。

 この市民開放スペースには、市民活動の拠点となる「協働社会創造スペース」を設置し、多種多様な市民活動団体を支援するとともに、「子育てサロン」においては、毎週土曜日に子育てに関する悩みや相談を受ける「相談員」を配置し、関係機関との連携を図りながら、子育て支援の充実に努めます。

 さらに、「市民ホール」や「市民ギャラリー」は、市民が交流や発表、各種イベントにも活用できる施設としています。

 また、窓口サービスの向上を図るため、引き続き年度末及び年度初めの平日の開庁時間の延長や、休日開庁を行うとともに、新たに毎月第3日曜日の休日開庁を行うことにより、市民サービスの向上に努めます。

 これらの諸施策により、休日でも利用できる開かれた庁舎、そして休日も市民で賑わう施設としたいと考えています。

 また、「総合計画基本計画」につきましては、私が昨年4月の市長選挙において掲げたマニフェスト事項を市の施策として明確に位置付けるため、本年6月を目標とした改訂作業を行っています。

 なお、マニフェストの取り組み状況や内容を市民の視点から評価していただき、それを市政に反映するための「マニフェスト市民評価委員会」を設置します。

 行財政改革につきましては、行政改革大綱の実施計画として策定した「集中改革プラン」が平成22年度をもって計画期間が終了することから、持続可能な行財政運営の推進に向けた戦略的な指針として「(仮称)第2次集中改革プラン」の策定に取り組みます。

 また、本格導入し3年目を迎える行政評価につきましても、市民や経営的視点で事務事業の必要性及び効率性等について評価・検証する外部評価の導入が必要であると考えています。

 このようなことから、「(仮称)第2次集中改革プラン」の策定や進行管理のための第三者機関として「行政経営戦略会議」を設置し、これまで以上に「市民との協働の自治体経営」の実現に向けまい進します。

 組織機構改革につきましては、新たな政策に柔軟に対応できる組織体制づくりや地方分権の推進に対応する地方自治体の政策形成能力の向上を図ることが重要なことから、平成22年度中に総合支所を含めた抜本的な組織機構改革を進めたいと考えており、機動性の充実を図るため、部を再編するとともに、課等については、統廃合を進め「課の大括り化」を行い、連携支援できるグループ制の充実した組織に改編します。

 また、平成23年度以降についても、庁内組織のフラット化やスリム化に努めながら、職員の仕事に対する意欲の向上を図ります。

 さらに、職員が高い倫理観に基づき、公平かつ公正な職務を遂行する職場環境の構築を図るため、日常業務を通じた職場内研修の強化を図ります。

 老朽化が著しい蛇田支所及び蛇田公民館につきましては、蛇田地区の大規模な宅地開発に伴う人口増加や、移転整備実現を願う地域住民及び関係団体の強い要望を踏まえ、蛇田地区の協働のまちづくりの拠点となる複合施設建設に向けた地質調査を実施します。

 また、自主財源の安定的な確保のため、収納率の目標を定め、滞納整理システム、市税等電話催告センターを最大限活用するとともに、財産調査及び滞納処分の推進並びに2年目を迎えます宮城県地方税滞納整理機構の有効活用を図るなど、市税の収納率向上対策を強化します。

 

(2)未来を担う青少年を育むまちづくり

 第2は、「未来を担う青少年を育むまちづくり」についてであります。

 「このまち大好き人間を育むまちづくり」として、学校教育につきましては、平成20年3月に策定した「教育ビジョン」に基づき、「豊かな個性と創造性、『生きる力』を持つ未来の担い手を育む学校教育」を基本目標に、計画的に各種の施策を実施します。 

 確かな学力を育む取り組みにつきましては、「石巻の学びステップアップ事業」を継続するとともに、平成23年度からの小学校5・6年生での「外国語活動」の完全実施に向け、外部人材を活用した英語指導工夫改善のためのモデル事業を引き続き実施します。

 豊かな心を育む教育の取り組みにつきましては、通常学級に在籍し支援が必要とされる児童への個別支援及び学級全体への指導の充実を図るため、特別支援教育支援員を増員するほか、社会奉仕や伝統文化継承活動を通して、ふるさとを愛し、その発展に寄与する心情や態度を育てるため、新たに「ふるさと大好き中学生育成事業」を実施します。

 さらに、いじめや不登校などの問題に対応するため、小学校にはスクールソーシャルワーカーを、中学校にはスクールカウンセラーを、市立高等学校にはハイスクールカウンセラーをそれぞれ配置することにより、引き続き教育相談体制の充実を図ります。

 また、学校施設の耐震化事業につきましては、児童生徒の安全を確保するため、校舎や屋内運動場の耐震化は最優先課題でありますことから、平成21年度から引き続き実施する石巻小学校校舎や門脇中学校屋内運動場の改築工事のほか、中里小学校や雄勝小学校校舎の耐震補強工事を実施し、今後も教育環境の整備・充実を図ります。

 また、読書は子どもが、言葉を学び、感性を磨き、表現力や創造力を豊かにしていく上で欠くことのできないものであることから、「子ども読書活動推進計画」に基づき、新たに、乳幼児健診時に絵本を手渡し、赤ちゃんと保護者が絵本を介して触れ合うきっかけを広げる「ブックスタート」を実施するなど、子どもの読書環境の整備に努めます。

 次に、高等学校教育につきましては、石巻市立高等学校の統合に向け、教育委員会が定めた「石巻市立高等学校再編の基本方針」に従い、新たに統合準備委員会を設置して、教育課程や教育活動の在り方などについて具体に検討します。

 また、石巻専修大学との連携につきましては、大学の持つイノベーション機能などを地域課題の解決に向け活用していくことが、地域の活性化のために重要であると考えています。

 このため、「石巻市と石巻専修大学との連携に関する協定書」に基づき、地域社会の発展や人材育成及び学術の振興に寄与する事業の具体化に向けた取り組みを行うとともに、大学が行う子どもたちや一般市民などを対象とした「青少年のための科学の祭典」、現代の寺子屋としての「独創塾」や「サテライトキャンパス」、また、地域課題に対応した調査・研究を行う「共創研究センター」の活動を支援します。

 未来を担う子どもたちの豊かな個性と創造性を育むことにつきましては、学校、家庭、地域が連携し地域全体で子どもたちを育成するため、地域の伝統文化や資源あるいは地域の人々が持つ知恵等を活用した「コラボスクール」や、地域の伝統産業や歴史、伝統文化に触れ合う「ふるさと子どもカレッジ」などの「協働教育推進事業」の充実化を図ります。

 また、社会教育指導員を新たに配置し、学校・家庭・地域の連携を図り、各学校の保護者等を対象とした「家庭教育学級開設事業」を展開することにより、家庭教育に関する学習の機会を提供し、家庭教育力の向上に努めます。

 さらに、「まちなか実験室」を各地区で開催し、子どもたちが科学の世界に目を向け、科学的な感性や想像力を磨く機会を提供し、未来志向型の子どもを育成します。

 国際交流の推進につきましては、海外の友好都市等と経済、文化、教育、観光等の交流を継続して推進するとともに、市民レベルでの交流について支援します。

 また、本市に住む外国籍の住民が増加傾向にあることから、安心して生活できるよう国際交流団体、外国人支援団体、外国籍の住民の代表者などと意見交換を行いながら、多文化共生社会の実現に取り組みます。

 

(3)活力あるまちづくり

 第3は、「活力あるまちづくり」についてであります。

 「太陽のまち、自然を活かした産業づくり」として、新たな雇用を生み出す企業誘致や本市独自の技術開発、新産業の創出への取り組みにつきましては、集積業種として、国の同意を得た「自動車関連産業」や「食品製造業関連産業、木材関連産業」を対象として、企業誘致条例による助成金制度をさらに拡充し、企業誘致アドバイザーの活用と併せて、企業誘致活動を積極的に展開します。

 また、「石巻広域圏企業誘致協議会」を構成している東松島市や女川町、そして石巻商工会議所等と連携しながら情報収集や企業訪問等を積極的に推進します。

 自動車関連産業につきましては、セントラル自動車の来年1月の稼働へ向けて、周辺関連企業の宮城県内への集積化が加速しており、石巻地域としても関連企業の誘致に努めているところであり、さらに、産学官連携による「自動車関連産業集積部会」の事務局としての活動推進と「いしのまきマシンプロジェクト」及び昨年11月に発足した自動車ユニット部品の受注に向けた「夢工房いしのまき」を引き続き支援しながら、新たな産業の創出と振興に努めます。

 また、世界的な環境保全型社会への転換期の中、環境関連産業を本市の経済の新たな柱とするため、メガソーラー発電施設や植物工場等をはじめとする環境関連企業の誘致を産学官が連携し推進するとともに、光触媒による環境浄化や地元企業により開発された新技術を活かした産業振興と異業種間交流に努めます。

 さらに、自然エネルギーの利用を促進することにより、二酸化炭素の排出を抑制し、地球温暖化の防止に資するため、平成21年度からの経済緊急対策事業の繰越事業ではありますが、太陽光発電システムを新庁舎をはじめ各総合支所等に設置するほか、市民や事業者が行う太陽光発電システムの設置に対し、補助金制度を平成21年度に引き続き実施します。

 地域経済の活性化及び雇用対策につきましては、景気低迷の長期化により地域の雇用情勢は、昨年12月の有効求人倍率が「0.51」と依然として厳しい水準となっていることから、新規高卒者を対象としたワークシェアリング事業やふるさと雇用再生特別基金事業・緊急雇用創出事業を引き続き実施し、失業者の解消に努めるとともに、介護、環境等の分野において新たな雇用機会を創出する重点分野雇用創造事業に取り組みます。

 また、住宅関連産業を中心とした経済循環の活発化と、住宅の安全性、耐久性及び居住性の向上を図るため、市民が行う住宅リフォームに対し補助金を交付するとともに、融資あっせん制度において緊急経済対策保証料補給事業を継続拡大し、中小企業の資金の円滑化を図ります。

 さらに、「農商工連携」による新たな事業活動を支援し、地域資源を活用した競争力のある高付加価値製品を創出することにより、地域経済の活性化を図ります。

 水産振興につきましては、「資源管理型・つくり育てる」漁業への支援のほか、各漁港の施設整備や外国人漁業研修生の受入れなど生産性の向上と経営の安定化を図ります。

 また、漁船乗組員の高齢化と循環器系疾病の事故に対応するため、漁船への自動体外式除細動器の設置と救急救命法の講習を行い、救命胴衣の着用と併せて漁船乗組員の生命の安全確保や労働環境の向上を促進し、漁船乗組員の安定確保による漁業経営の強化を図ります。

 さらに、かつてないほど減少した水揚げの回復に向け、積極的に船主訪問などの漁船誘致活動を行うほか、官民連携による省エネ、省力型代替船取得による生産コスト削減や加工原魚の安定確保を目指す漁船漁業構造改革総合対策事業を推進するとともに、石巻市水産物地方卸売市場の荷捌き所の増設や衛生管理施設の整備による外来船の利便性強化を図るなど、産地間競争に勝てる誘致に取り組みます。

 農業振興につきましては、優良農地の確保・維持保全を図るため、「農業振興地域整備計画」の策定業務に着手するとともに、新たに事業採択予定の鹿又・広渕沼地区及び各地区継続のほ場整備事業並びに園芸特産重点強化整備事業を実施し、農業生産基盤の整備を推進します。

 また、平成23年度から導入される「戸別所得補償制度」に向け、平成22年度に実施される「米戸別所得補償モデル事業」及び「水田利活用自給力向上事業」におきましては、関係機関と連携のうえ円滑な事業の推進に取り組むとともに、畜産振興につきましては、本市で生産され、全国的にも高い評価を得た宮城県基幹種雄牛「茂洋号」を活用した和牛ブランド化構想を引き続き支援します。

 林業振興につきましては、森林整備計画に基づく伐採や造林、間伐などを計画的に推進し、森林機能の保全と適正な管理の促進を図ります。

 食のブランド化や地産地消につきましては、生産者、消費者及び事業者との連携を図り、豊富な水産物及び農産物等の地域内流通や消費を促進するとともに、「食のまち・いしのまき」として全国的なPRを展開し、情報発信の強化に努めます。

 また、官民一体となった「地産地消プロジェクト」を創設し、農林漁業、水産加工業のバラエティーに富んだ豊富な産品の地元消費を積極的に促進するとともに、「産地ブランド」の高度化を図るための施策を展開します。

 観光振興につきましては、「仙台・宮城【伊達な旅】観光キャンペーン」の実施や地元産業団体等と連携を図りながら、「食彩・感動いしのまき観光推進協議会」への支援など、本市の豊富な観光資源を広く全国に情報発信し、各種観光事業を推進します。

 また、本市は全国に誇れる彩り豊かな食材に恵まれていることから、「食のまち・いしのまき」のイメージの確立を目指し、本市の魅力と特長を活かした体験型観光としてのグリーンツーリズムやエコツーリズムなど、様々な体験メニューと地域のネットワークを組み合わせたニューツーリズム事業を推進するとともに、外国人も含めた観光客の誘客に努めます。

 さらに、観光関係団体や「石巻フィルムコミッション」と連携を図り、石巻を舞台とした映画やテレビ番組を誘致し、映像を媒体とした観光誘客PRを積極的に推進するとともに、自然や食材など本市の豊富な観光資源の魅力を活かした情報発信に取り組みます。

 重要港湾「石巻港」につきましては、引き続き、国・県に対し南防波堤等の早期整備に向け要望活動を行うとともに、利用促進のため、荷主等へのポートセールスや、港の賑わい創出と観光振興につながる大型客船誘致活動を積極的に行います。

 また、本市には、物流拠点として発展している石巻港、潮風を感じ、往来する船舶を眺められる雲雀野海岸、悠々と流れる旧北上川などの貴重な水辺空間があり、これらの水辺空間を活かし、多くの市民や観光客が、水辺のすばらしさを感じ、安全で快適に散策できるよう、検討委員会を設け石巻港から雲雀野海岸、旧北上川の水辺を通って中心市街地へ至る「水辺の緑のプロムナード」の計画を策定します。

 都市計画道路の整備につきましては、重要港湾「石巻港」と三陸縦貫自動車道を結ぶ重要幹線道路である「石巻工業港曽波神線」のJR仙石線との交差箇所の道路橋整備を促進し、平成24年度末の供用開始を目指します。

 下水道の整備につきましては、人口集中地区の西部流域関連では、蛇田排水ポンプ場の整備を進めるとともに、雄勝浄化センターの増設を図るなど、公共下水道、農業集落排水及び浄化槽設置など地域特性に応じたそれぞれの事業を推進し、快適で清潔な生活環境づくりと公共用水域の水質保全を図ります。

 

(4)安心して暮らせるまちづくり

 第4は、「安心して暮らせるまちづくり」についてであります。

 「いのちの大切さ最優先のまちづくり」として、市民が安心して健やかに暮らせるまちの実現とみんなで支えあう地域づくりを推進するため、引き続き「認知症サポーター」の養成を推進することにより、認知症の人や家族を見守っていく「地域づくり」を推進します。

 国民健康保険事業につきましては、石巻健康センター「あいプラザ・石巻」を活用し、運動支援を中心とした特定保健指導を行うことにより、特定保健指導の実施率の向上と生活習慣病の予防に努めるとともに、市民の健康づくりにつきましては、健康増進計画に基づき、各種健診や保健師等による健康相談などを実施します。

 母子保健サービスにつきましては、妊婦健康診査への助成を引き続き行うとともに、各種発達相談や新生児の全戸訪問事業、さらには、養育困難な家庭への保健師やホームヘルパーの派遣等の支援事業など、母子保健の総合的なサービスの充実に努めます。

 昨年制定した「食を活かした元気な石巻」都市宣言につきましては、全国に宣言を発信するとともに、家庭や学校、地域、職場において、バランスのとれた食事の推進を図り、石巻の豊かな食を「みんなで伝え、みんなで楽しみ、みんなで守る」という食育推進計画を積極的に展開します。

 医療体制の充実につきましては、石巻市立病院、雄勝病院、牡鹿病院の3病院と夜間急患センターをはじめとする5診療所は、それぞれの医療機能に応じた役割を果たすとともに、「公立病院・診療所改革プラン」に基づいた経営の効率化を図り、持続可能な医療提供体制を目指します。

 また、石巻市立病院では、新型インフルエンザ等感染症の拡大防止や院内感染防止に対処するために感染症外来診療棟を新設し、感染症対策を強化するとともに、石巻市医師会の石巻市在宅当番医制事業に参加し、休日の小児救急医療体制の充実を図ります。

 さらに、石巻市立3病院は、圏域の医療機関や関係機関との連携のもと災害時の医療提供体制を強化します。

 休日や夜間における急病に対する不安を解消するため、これまでどおり、在宅当番医制及び夜間急患センターにより、安心して健やかに暮らせる医療体制の確保に努めるほか、石巻赤十字病院救命救急センターの運営を支援します。

 また、病院群輪番制事業につきましては、これまで公立及び公的5病院で実施していましたが、平成22年度から民間の齋藤病院、真壁病院及び仙石病院の3病院を加え、8病院体制で実施します。

 女性の就業率の高まりとともに、子どもが健やかに成長できる環境づくりや、保護者の安心を確保するための子育て支援が極めて重要であると考えています。

 このことから、子育て支援の新たな取り組みとして、子ども医療費助成につきましては、助成対象を小学未就学児までを、小学2年生まで拡大し、子育てに伴う家庭の経済的負担の軽減に努めます。

 また、国の制度改正に伴い、中学校修了前の児童を養育している方への子ども手当を支給することや、児童扶養手当の支給対象者を拡大することにより、生活の安定と児童の健全育成を図ります。

 さらに、稲井地区及び牡鹿地区において放課後児童クラブを開始するとともに、蛇田地区では、専用教室で、大街道地区では、1クラスから2クラスへの増設を行い、放課後児童クラブの拡充を図ります。

 保育所の整備につきましては、平成20年度に着手した相川保育所と雄勝保育所の建築工事や駐車場整備などを実施し、子育て支援センターを併設した施設として平成23年度の開所を目指します。

 また、幼保一体化施設であります湊幼稚園と湊保育所につきましては、保護者や地域の多様なニーズに応えるため、「認定こども園」として平成23年度の開園を目指します。今後におきましても、「次世代育成支援行動計画の後期計画」に基づき、子育て支援に関する事業を総合的かつ計画的に推進します。

 特に、子どもに対する虐待やいじめに関する問題につきましては、各種啓発活動を実施するほか、子どもを地域で守る地域ネットワークが必要であることから、昨年設置した福祉、教育、保健、医療、警察、司法などの関係機関・団体等で組織する「要保護児童対策地域協議会」により連携を図ることとしています。

 また、虐待につきましては、臨床心理士などの専門カウンセラーにより親子の心理ケアを継続的に実施し、精神的な支援も行います。

 安心と誇りを持って住み続けられる高齢者福祉を推進するため、「高齢者の生きがいと創造の事業」、敬老会や高齢者スポーツ大会の開催、老人クラブ活動助成事業等を実施することにより、「生きがいづくり」と社会参加の促進を図るとともに、高齢者虐待件数の増加を踏まえ、知識と経験を有する専門家と相談できる体制を整え、高齢者の権利・利益を擁護します。

 介護保険事業につきましては、高齢化が一層進行する中で、2年目を迎える「石巻市第4期介護保険事業計画」の着実な推進を期し、特に、高齢者が要介護や要支援の状態になることなく健康で活動的に日々を過ごせるように、介護予防教室やフォローアップ教室等の介護予防事業を積極的に実施します。

 また、介護事業所における業務管理の適正化を図るため、事業運営や報酬請求などについて、事業者及び施設に対し定期の実地指導を行うとともに、介護保険施設等の基盤整備を図り、待機者の解消に努めます。

 障害福祉の充実につきましては、障害者自立支援法に基づく障害福祉サービス等に伴う低所得者の利用者負担が無料となりますことから、市町村事業に位置付けられている地域生活支援事業の各種サービスにつきましても、低所得者の利用者負担の無料化を実施するとともに、各種報酬単価の改定を行うなど、サービス提供事業者の事業運営の安定化を図り良好なサービス提供体制の構築を図ります。

 また、総合体育館入り口ドアの自動ドア化や、車いす利用者などもスポーツができるよう配慮した体育用備品を整備し、障害のある方の社会参加の推進を図るため、その環境整備に努めます。

 さらに、国が進めようとする新たな障害者制度に対しましても、動向を見極めながら適宜必要な措置を講じます。

 交通安全対策につきましては、交通安全指導員による街頭指導や幼児・児童等に対する交通安全教室の開催などにより、市民の交通安全意識の高揚を図ります。

 災害時の対策につきましては、災害時における消防水利を確保するため、耐震性貯水槽を整備するとともに、消防力を強化するための消防自動車の更新事業等を実施するほか、避難所への仮設電話の設置を進めます。

 また、宮城県沖地震などの自然災害に対応するため、緊急避難道路を備えることは必要不可欠であり、工事が完了した住吉跨線橋に引き続き、重要路線の中埣橋、石巻大橋について、最新の耐震仕様での補強工事を計画的に実施します。

 原子力発電所の安全対策につきましては、立地市として、関係機関に働きかけ、しっかりとした監視体制による安全確保に努めるとともに、緊急時の避難体制の整備に努めます。

 

(5)環境と文化を大切にするまちづくり

 第5は、「環境と文化を大切にするまちづくり」についてであります。

 身近な自然や生活環境を守る取り組みにつきましては、秋から春先にかけて、農業用水路などにおいて、生活排水等による水質悪化に伴い悪臭が発生することがありますが、この水質悪化を先端技術の一つである光触媒により解消するシステムについて、石巻工業高等学校の協力を得て実験を行います。

 また、環境保全に関する普及啓発や児童・生徒に対する環境教育、そして環境保全活動を行う個人・団体への情報提供と交流の拠点とするため、新庁舎に環境情報センターを設置することとし、また、ごみ減量に関しての普及・啓発を目的として、「3Rごみ減量ガイドブック」を全世帯に配布します。

 文化財の保護と継承につきましては、昨年策定した「歴史文化資料展示施設整備基本計画」に基づき、石巻文化センターを改修するため、展示の詳細設計等を含めた実施設計を行うこととしています。

 改修は、2階全体を博物館機能施設とし、毛利コレクション等の常設展示や布施辰治、フランク安田など、郷土の偉人を紹介する先人展示室を新たに整備することとしており、平成24年の開設に努めます。

 また、「高橋英吉生誕100周年」を記念して、故高橋英吉氏の作品を所蔵する関係機関や関係者の御協力により、氏の長女で、版画家の高橋幸子氏の作品と合わせて、企画展を開催することとしています。

 国指定名勝「齋藤氏庭園」につきましては、文化財保護法の趣旨に則り、庭園の適切な保存管理を行うため、引き続き本市が管理団体となり必要な施設整備を進め管理します。

 本年4月から開設します視聴覚センターにつきましては、積極的な活用を推進し、教員等に対するICT活用指導力、情報モラルの指導力及び情報活用能力の指導力など、情報教育の一層の充実を図るとともに、隣接する情報機器及び研修環境の整備が図られている情報プラザとの連携により、より高度で充実した講座や研修を実施します。

 また、地域情報通信基盤整備事業として、平成21年度からの経済緊急対策事業の繰越事業ではありますが、田代島、網地島を除く本市行政区域全域の「ブロードバンド・ゼロ地域」の解消に向けて、平成22年度の完成を目指します。

 市民一人一人が、その生涯にわたって、あらゆる機会に、あらゆる場所で学習ができ、その成果を活かすことのできる社会の実現のために、「生涯学習推進計画」に基づき、市民の主体的な学習活動の支援や学習活動を通した豊かな地域社会づくりに取り組みます。

 また、公民館施設は、地域の人々が「いつでも・どこでも・だれでも」学習活動として集まる仕掛けと、活動の活発化が人々の協調行動を高める仕組みづくりの場所として、社会教育関係団体や公民館利用団体連絡協議会と連携しながら施設機能の充実を図ります。

 スポーツ振興につきましては、「スポーツ振興基本計画」に基づき、市民をはじめスポーツ関係団体や関係機関との協働により、各種事業に取り組みます。

 特に、市民主体による「総合型地域スポーツクラブ」の創設や運営等への支援を積極的に展開し、誰もがスポーツに気軽に参加できる機会と参加者の拡充を図ります。

 総合運動公園につきましては、平常時は緑につつまれた市民の憩いとスポーツ活動による交流の場として、また、災害時には住民の避難・救援活動の拠点として機能する公園づくりを目的として、安心して住めるまちづくりの実現のため整備に着手します。

 

(6)地域に根ざした交流と連携のまちづくり

 第6は、「地域に根ざした交流と連携のまちづくり」についてであります。

 旧石巻市の中心市街地に賑わいを取り戻すことにつきましては、空き店舗を活用したコミュニティスペースの創出や、まちなか実験室の開催等により、まちなかの賑わいの創出に努めています。

 また、現在策定中の「中心市街地活性化基本計画」につきましても、官民一体となり取り組んできた結果、認定まであと一歩というところまで漕ぎつけたところであり、引き続き関係機関とともに計画の実現に向け努力します。

 6総合支所管内につきましては、地域に密着した情報発信や環境啓発事業等により地域商店街の活性化に取り組んでいる商工会を支援し、市内全体の商業活性化を図ります。

 定住自立圏構想につきましては、大都市圏への人口流出による石巻圏域の人口減少対策と石巻圏域の活性化を図るため、東松島市及び女川町と連携し、構想を推進します。

 また、本構想を推進し、安心して暮らせる魅力的な定住自立圏を形成するためには、本市が中心市としての責務を認識し、圏域全体の発展のため、その役割を果たす必要があります。

 平成22年度は、定住自立圏形成協定の締結に向け、「(仮称)石巻圏域定住自立圏推進協議会」を設立し、連携項目の協議等に取り組みます。

 「田代島」及び「網地島」の島民の足である離島航路につきましては、宮城県が行っている石巻港内港地区への浮き桟橋の整備の完了に合わせ、駐車場や案内看板等の背後地整備などを行い、利用者の安全確保と利便性の向上を図ります。

 また、島への定住促進策として、移住希望者に対する現地案内や田舎暮しのニーズに対応していくための定住体験モニター事業への支援などを実施するとともに、平成21年度中にロッジなどを拡充整備する「田代島マンガアイランド」を有効活用した観光客の増加と交流の促進に努め、離島の活性化を図ります。

 各地域のバス交通につきましては、既に本格運行を開始している荻浜、稲井、寄磯・前網、河北、雄勝、河南、桃生及び北上の8つの地区の住民バス運行に対する支援を継続するとともに、本年4月から試験運行を開始する「山の手地区」及び「水明・水押等地区」については、地域の実情に即した運行が行えるよう運営主体である「運行協議会」と協調しながら市民との協働のまちづくりに向けた地域交通の確立に努めます。

 

3 むすび

 以上が、平成22年度における私の市政運営に取り組む所信と施策の大綱であります。

 これからの「まちづくり」は、特定の人間が考え、行動するのではなく、市民が自らの暮しの満足度を高めていく主体となり、市民と行政とが協働して第二県都にふさわしい活力に満ちた石巻市の未来を創りだす体制を整えることが必要です。

 今年は寅年、優れた行動力と果敢な動き、そして冷静な判断力をもつ虎に習い、市職員と心をひとつにし、一丸となり行動する行政を目指したいと考えております。

 そのためには、市民の皆様や議員各位と問題意識を共有し、様々な角度から活発な議論を行い、諸施策を着実に実行したいと考えています。

 石巻に住むことに誇りを持ち、健康で楽しい、充実した人生を送ることのできる「市民のための 市民による 新しい石巻」を創造するため、全力を傾注してまいりますので、市民の皆様並びに議員各位には一層の御理解と御支援を賜りますよう衷心よりお願い申し上げまして、平成22年度の施政方針といたします。

お問い合わせ先

部署名:復興政策部 復興政策課
電話番号:0225-95-1111
内線番号:
政策管理担当 4215
政策調整担当 4218