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平成26年度施政方針

更新日:2017年10月24日

はじめに

 平成26年「石巻市議会第1回定例会」に「平成26年度各種会計予算案並びに諸案件」を提案するに当たり、市政運営に取り組む所信の一端と施策の大要について御説明申し上げます。

 東日本大震災からまもなく3年が経過しようとしておりますが、この間、私たちは幾多の混乱や辛苦を体験しながらも、様々な苦難を乗り越えて本日を迎えております。

 国においては、日本経済が力強さを取り戻しつつあり、GDP、有効求人倍率の回復等、景気回復のすそ野は着実に広がっており、消費税率引上げに際しても、駆け込み需要とその反動減を緩和し、景気の下振れリスクに対応するとともに、オリンピック、パラリンピック開催決定を契機とした地域活性化、地域産業の集積促進の課題に重点的に取り組むこととしております。

 また、「新たな創造の地・東北」をつくるとともに、地方の活性化を重要なテーマとして、自主性と自立性を高めるため、地方に対する権限移譲や規制緩和を進めることとしておりますことから、基礎自治体に求められるものは、ますます大きなものになると考えております。

 震災により、本市は依然として厳しい状況におかれております。

 長く住み慣れた地域を離れ、仮設住宅での不自由な生活を余儀なくされている方、生業等の確保に御苦労されておられる方など、今なお、これからの暮らしに不安を抱かれている多くの市民の方々がおられるのが現状です。

 一日も早く、希望を持ち、笑顔あふれる日々を取り戻すことができるよう復興を進めることが私の使命と考えております。

 平成26年度は、石巻市震災復興基本計画の「復旧期」から「再生期」にシフトする重要な1年でありますことから、これまでの復旧・復興事業の加速化に加え、住居形態や人口推移の変化など新たな復興ステージへの変化にも対応しながら、ふるさと石巻の更なる発展に向けて全力で取り組んでまいります。

 その実現のためには、市民の皆様、議員の皆様、そして全職員の努力が必要であり、何よりも市政をお預かりする私の最大の責務であります。そのためにも櫛風沐雨の覚悟で市政を運営してまいる所存であります。

 これからのまちづくりに私が描くものは、世界最先端のエコタウンの実現により、災害時にも灯りと情報が途切れない「安全・安心なまち」であるとともに、産業の再生・活性化と新産業の創造による雇用の創出を図ることであります。

 また、市全体の人口減少や地域の過疎化、少子高齢化は、石巻地域全体の活力喪失や均衡ある発展を阻害する要因となることから、本市の特性を生かした地域振興、地域社会の活性化、定住の促進を図るほか、保健・福祉・医療・介護等の切れ目のない連携により、住み慣れた地域で高齢者を地域全体で支える地域包括ケアのまちづくりを進めるとともに、未来の石巻を担う子どもたちを健やかに育んでいくための環境を整えることであります。

 そして、石巻発展の礎となった母なる大河、北上川を生かしたまちづくりや、人と人が触れ合い、生き生きと笑顔で暮らせる魅力的なまちを創り出していくことであると考えております。

 このような魅力的な「未来の復興石巻」の実現に向けて、本年を復興実感の年とすべく、平成26年の施策の柱について述べさせていただきます。

 私の2期目の市政を運営する基本姿勢としては、「市民生活の復興」、「災害に強いまちづくり」、「産業の再生と雇用の確保」、「絆と協働の共鳴社会づくり」の四つの柱を軸に進めてまいります。

 

 まず、一つ目の「市民生活の復興」についてでありますが、何よりも、今なお仮設住宅において不自由な生活を強いられている方々の、住まいの再建が急務であります。

 そのため、防災集団移転促進事業、新市街地や既成市街地における土地区画整理事業、復興公営住宅建設事業を進めており、さらにその整備に全力を挙げて取り組むとともに、移転のための各種支援を実施し、被災された方々の自立再建を促進してまいります。

 また、生活に不可欠な雨水対策や道路の復旧、整備を継続しながら、市民が集い、活発に交流できるまちづくりのための基盤整備を推進してまいります。

 さらに、安心して暮らすために欠かせない医療体制の整備・充実に努めるとともに、未来の石巻を担う子どもたちの育児、教育環境を充実させ、心身ともに健康な子どもを育むための支援を進めてまいります。

 

 二つ目の「災害に強いまちづくり」についてでありますが、東日本大震災を教訓として、市民の生命、身体及び財産を災害から守るため、自助・共助・公助の考えに基づき、市民、事業者及び市の災害対策の責務と役割を明確にし、災害に強い安全で安心なまちづくりを協働して推進することが必要であります。

 そのための体制づくりや、防潮堤、避難路、避難施設等の防災基盤を整備するとともに、多面的な情報収集手段の確保に併せ、再生可能エネルギーを活用した低炭素なエコタウン、災害時にも灯りと情報が途切れない、災害に強い循環型環境推進都市の実現に努めてまいります。

 

 三つ目の「産業の再生と雇用の確保」についてでありますが、市民が安定した生活を送るためには生業の確保が不可欠であり、ひいては人口の流出を防ぐためにも、産業の再生が急務であります。

 しかし、東日本大震災による水産業や水産加工業、そして農業をはじめとする本市の産業基盤の壊滅的被害は、直接的被害ばかりでなく、長期の操業停止によるシェアの喪失や、人材の流出を招くなど、間接的にも深刻な被害状況にあります。

 被害を受けた産業基盤の復旧、再生、産業用地の確保に向けて、国や県のあらゆる制度と合わせた独自支援を進めておりますが、同時に、失った販路の回復やブランド力向上等により安定した経営を行えるよう、支援制度を拡充しながら被災された事業者の支援を図ることにより、市民の働く場の確保に努めてまいります。

 

 四つ目の「絆と協働の共鳴社会づくり」についてでありますが、高齢者や障害者の方々を含めた全ての市民が生きがいを持ち、生きる力を実感できるまちづくりが必要であり、地域全体で支え合う、「共助」を基本とした地域包括ケアの推進が不可欠であり、その実現のためには、地域コミュニティを基盤とした保健・福祉・医療・介護等の多方面の方々がネットワークを作り、連携していく必要があります。

 そのため、何よりもまず地域コミュニティの再生と創出に向け、町内会や行政区の自主的な活動を支援するとともに、NPO団体等と連携し、住民自治組織の機能強化、再生、再構築を図ってまいります。

 

 以上、四つの柱を中心に施策を進めてまいりますが、復興事業をスピードアップさせていくためにも、復興業務全体のマネジメント機能を強化し、また、マンパワー不足を補うため、引き続き全国の自治体、民間企業などからOBを含めた職員の支援を得るとともに、任期付き職員の採用や再任用職員の活用を図りながら、復興事業の更なる加速化を目指したいと考えております。

 

重点的に取り組む施策

 それでは、平成26年度の主要な施策について申し上げます。

 平成26年度を、復興実感の年と位置付け、災害復旧、復興事業はもとより、市民が健康で明るく暮らすことができる施策を最優先に取り組むこととしております。 

1 市民生活の復興

 はじめに、一つ目の柱であります「市民生活の復興」のための施策の展開として、「市民生活の復興に必要な基盤づくり」についてでありますが、本市の都市拠点である石巻駅周辺につきましては、防災拠点となる「仮称・防災センター」、高齢化社会に対応するための地域包括ケアを展開する「仮称・ささえあいセンター」と、これらの機能をバックアップするために必要な道路等のインフラ整備を行い、防災と復興の拠点として一体的に機能する市街地の形成を図ってまいります。

 中心市街地の復興といたしましては、商業、観光、交流などの機能を集積させ、賑わいと活力あるまちづくりを行うとともに、まちなか居住を促進するため、福祉機能や防災機能を充実させ、くつろぎ空間を確保した誰もが快適で安心して暮らせるまちづくりを推進してまいります。

 旧北上川河口部で進められている堤防・護岸整備を活用し、川湊として発展してきた本市の歴史特性を踏まえ、「いしのまき水辺の緑のプロムナード計画」の実現を目指し、川沿いの土地区画整理事業や市街地再開発事業等と連携し、市街地と堤防や水辺が一体的な賑わい空間として利活用でき、市内外から来訪者が集い、交流し、憩う場を創出し、川とともに生きる石巻らしい復興まちづくりを進めてまいります。

 市街地の再開発事業につきましては、中央三丁目1番地区、立町二丁目5番地区、中央一丁目14番・15番地区の3地区では建築工事への着工、その他の地区では事業認可を目指してまいります。

 住宅流失等の甚大な被害を受けた方々が早期に生活再建を図るためには、住宅用地を確保する必要があることから、新蛇田、新蛇田南、あけぼの北、新渡波、新渡波西地区を土地区画整理事業により、良好かつ健全な市街地の整備を加速してまいります。

 半島部の集落及び市街地沿岸部の非可住地となる地区につきましては、防災集団移転促進事業により、住家を安全な高台、内陸部への移転を推進してまいります。

 市街地におきましては、土地区画整理事業により造成工事を進め、平成26年度から順次宅地供給を開始する予定であり、半島部におきましては、CM方式により全46地区で造成工事を施工し、平成26年度より造成工事が終了した地区から順次宅地供給を開始いたします。

 防災集団移転に係る従前地の買取りや、移転費用等に対する支援を行い住宅の再建を推進してまいります。

 復興公営住宅の整備につきましては、市街地部では宮城県代行やUR都市再生機構への建設要請のほか、買取り住宅など、引き続き民間活力を最大限活用した整備を進め、半島・旧町沿岸部の高台移転の造成工事では、CM方式による団地造成工事と一体的整備を進めるなど、早期の整備に努めてまいります。

 今後、復興公営住宅への入居が本格的に開始されることにより、移転に伴う経済的負担を軽減するため、応急仮設住宅等から石巻市内の復興公営住宅等へ引越しする際の移転費用を支援し、応急仮設住宅等の早期解消と復興公営住宅等への円滑な移転促進を図ってまいります。

 東日本大震災により被災した雄勝総合支所・北上総合支所、荻浜支所の庁舎につきましては、被災地域のまちづくりの核となる施設であり、公民館との複合施設として、防災集団移転促進事業による集団移転団地内へ平成28年度中の完成に向けて整備を進めてまいります。

 老朽化が進む寿楽荘につきましては、高齢者の交流拠点として安心して利用していただくために、旧市役所跡地に建設を予定している復興公営住宅と合わせて整備を行います。

 被災した保育所の復旧につきましては、湊幼稚園や複合施設となる総合福祉会館「みなと荘」と併せて、平成27年度の開設に向けて湊こども園の移転新築事業を進めるとともに、仮称・門脇・大街道地区保育所及び仮称・渡波地区保育所の移転新築事業を進めてまいります。

 学校等の教育施設につきましては、移転新築を計画している渡波中学校、雄勝地区統合小・中学校を建設するための基本計画の策定、基本設計及び実施設計を行ってまいります。

 同じく移転新築を計画しております北上小学校につきましても、建設基本構想検討委員会を組織し、基本構想を検討するとともに、基本計画の策定に着手してまいります。

 本年4月には、湊第二小学校と統合する湊小学校をはじめ、渡波小学校及び湊中学校につきましても、校舎等の改修が完了することから、現地で再開することとしております。

 石巻市立桜坂高等学校につきましては、引き続き学校施設の整備を推進するほか、平成27年4月の開校に向けて魅力ある学校づくりのための教育目標及び教育計画を検討してまいります。

 その他の学校施設につきましても、校舎や体育館などの耐震補強工事や改修工事等に取り組んでまいります。

 震災により稼働が困難となった湊学校給食センター及び渡波学校給食センターにつきましては、施設を統合集約の上、平成26年度中に建設工事に着手し、平成28年4月の開設を目指してまいります。

 牡鹿公民館につきましては、既存の文化・福祉施設に隣接の上、牡鹿体育館のホール機能と統合した整備を実施するための基本設計に着手いたします。

 

 次に、「市民生活に密着したインフラの復旧」についてでありますが、下水道施設の復旧はもとより、現在仮設ポンプで対応している雨水排除につきましても、地盤沈下を踏まえた施設整備を実施し、浸水被害の防除に努めてまいります。

 現在、復旧・復興事業を進めるため、引き続き地方共同法人「日本下水道事業団」の協力を得て、施設の早期完成を目指してまいります。

 道路基盤の復旧、復興といたしましては、災害時においても市民の迅速かつ安全な避難を可能とし、また物流機能の強化により産業振興を図ることができる「災害に強い道路交通ネットワークの構築」が不可欠であることから、都市計画道路等の整備に努めるとともに、高齢者や子どもなど交通弱者に配慮した道路整備に向け、本年度に引き続き事業を推進してまいります。

 平成26年度におきましては、「渡波稲井線」の道路実施設計、用地・補償調査を行うとともに、道路用地の取得に努め、工事着手の準備を進めることとしております。

 「釜大街道線」、「御所入湊線」につきましても、道路用地の取得や建物補償契約などを行い、一部工事に着手する予定としております。

 「七窪蛇田線」につきましては、中心市街地へのアクセスの向上に加え、災害時における避難路、緊急輸送道路として、防災上も重要な路線であることから、平成26年度に事業認可を取得し、設計業務を実施してまいります。

 「石巻工業港曽波神線」につきましては、平成25年3月に2車線での暫定供用を開始しておりますが、石巻工業港と三陸縦貫自動車道を結ぶ重要幹線道路でもあることから、平成26年度中の4車線での供用開始を目指し、引き続き仙石線との立体交差区間の工事等を実施してまいります。

 復興に向けた新しい市街地の形成に当たりましては、住まいの確保だけではなく、生活を支える交通環境の整備も必要であり周辺住民、通勤・通学者の交通の利便性の向上と鉄道を利用した地域の発展を目指し、陸前赤井駅・蛇田駅間への新駅誘致に取り組んでまいります。

 公共交通の復旧に当たりましては、仙石線の早期全線復旧を目指し、沿線市町、宮城県、JR等の連携を強化するとともに、平成27年中の仙石線の全線復旧に合わせて、仙石線と東北本線の接続線整備を促進し、鉄道利用者の利便性の向上を目指してまいります。

 

 次に、「市民が健康に暮らすための施策」についてでありますが、医療体制の整備が急務となっている中、石巻市立病院の再建につきましては、本年5月末にも実施設計業務が完了することから、平成26年度中に建設工事に着手してまいります。

 現在進められている東北地方への医学部の新設につきましては、震災からの復興、東北地方の医師不足、原子力事故からの再生といった東北地方の要請を踏まえ、特例として東北地方に一校に限り新設が可能となったことから、今後、医学部の新設を目指す大学等の関係者や関係機関に対し、医学部及び関連施設の本市への誘致を働き掛けてまいります。

 救急医療につきましては、仮設夜間急患センターの運営をはじめ、在宅当番医制事業、病院群輪番制事業、石巻赤十字病院救命救急センターへの運営支援を実施し、救急医療体制の充実を図るとともに、夜間急患センターの本格復旧に向けて、再建基本計画を策定した後、平成26年度中に基本設計・実施設計、平成27年度に建設に着手し、平成28年度中の開設を目指してまいります。

 へき地医療対策としては、地域住民が安心して暮らせるように、田代診療所、雄勝診療所、雄勝歯科診療所、橋浦診療所、寄磯診療所を運営するとともに、仮設診療所の本格復旧に向けて、早期の整備に努めてまいります。

 医療体制の東西格差が拡大していることから、新たに、市東部地区の医療施設整備促進のための補助制度を創設するなど、医療体制の確保に努めてまいります。

 子育てに伴う家庭の経済的負担の軽減を図るため、子ども医療費助成については、通院は小学6年生まで、入院は中学3年生までを対象に引き続き実施し、子育てしやすい環境づくりを推進するとともに、在宅の重症心身障害児者が市外の短期入所事業所を利用する際の費用の一部を助成することで重症心身障害児者とその家族の経済的負担を軽減し、重症心身障害児者の福祉の向上を図ってまいります。

 障害者の相談支援の中核的な役割を担う機関として、相談業務等を総合的に行う「基幹相談支援センター」を設置し、相談支援体制の充実を図ります。

 ひとり暮らしの高齢者などに対して、復興公営住宅等における訪問支援事業を実施するとともに、復興公営住宅を中心とした地域支援体制の検討・検証を行い、訪問支援の相談内容に応じて関係機関との連絡調整を行う地域福祉コーディネーターや地区担当民生委員等による新たな支援体制の構築を進めてまいります。

 国民健康保険事業については、被災した被保険者の適正な医療の機会を確保し健康な生活を支えるため、本年4月から低所得者に対する一部負担金の免除を実施いたします。

 震災後、特定健診等の受診率が低下しており、さらに仮設住宅等での生活の長期化により生活習慣病の重症化が危惧されることから、未受診者への受診勧奨や受診者のフォローアップ事業を強化するとともに、特定健診等事業について、本年度から2か年をかけて実施方法等についてモデル的な取組みを行い特定健診、特定保健指導の充実を図り、医療費の適正化を推進してまいります。

 介護保険事業につきましては、高齢化がより一層進行する中で、計画最終年度を迎える「第5期介護保険事業計画」の着実な推進を図るとともに、「第6期介護保険事業計画」を策定することとし、合わせて老人福祉法に基づく「高齢者福祉計画」の策定を進めてまいります。

 さらに、高齢者が要介護や要支援の状態に陥ることなく、健康な生活を送ることができるよう、介護予防教室やフォローアップ教室などを開催し、介護予防事業の推進を図ってまいります。

 仮設住宅入居者及び民間賃貸仮設入居者並びに在宅被災者の支援につきましては、引き続き市保健師、訪問支援員、宮城県看護協会等の保健コーディネーターや地域包括支援センター等と連携し、健康悪化及び孤立化の予防や心身の健康の増進に努めるとともに、商業施設で気軽に立ち寄り健康相談ができる「まちの保健室」を継続して開設することで、働き盛り世代等の生活習慣病重症化予防と心身の健康づくりも併せて推進してまいります。

 各地区においても、心のケア講演会や運動教室等の各種予防事業を展開するとともに、保健推進員や運動普及リーダー、傾聴ボランティア等の地域の健康づくりリーダーを育成しながら、コミュニティの再生支援にも努めてまいります。

 被災者の心の問題につきましては、心のサポート拠点事業「からころステーション」の強化を図るとともに、「みやぎ心のケアセンター」と連携を強め、専門的かつ重層的な心のケアに努めてまいります。

 放課後児童クラブにつきましては、来年度、待機児童が大幅に増加する見込みとなることから、クラブ室の増設や現行施設の活用により待機児童の解消を図ってまいります。

 子ども・子育て関連3法の成立に伴い、平成27年度の「子ども・子育て支援制度」の本格的なスタートに向けて、保護者の意見や地域ニーズを反映し、質の高い教育や保育、地域の子育て支援サービスが受けられるように、「石巻市子ども・子育て支援計画」の策定を進めてまいります。

 先月オープンした「子どもセンター」を核として、震災により失われた子どもの遊び場や安心して過ごせる場を提供することにより、児童の健全育成を図るとともに、子どもたちがセンターの運営や各種事業に関わることにより、子どもの社会参加を促進し、地域との結びつきを強化してまいります。

 震災後は、家庭環境の変化などから、不登校、いじめ、暴力行為、児童虐待等の問題が複雑化、深刻化し、その解決が重大な課題となっております。

 そのため、スクールカウンセラーを希望する小学校と全ての中学校及び高等学校に配置するとともに、スクールソーシャルワーカーを配置するなど、震災後の児童・生徒の心のケアや様々な問題の解決を図ってまいります。

 児童・生徒ばかりでなく、東日本大震災により児童生徒等を亡くされた御遺族の方々は、今なお心の癒えることのない日々を過ごされておりますことから、平成26年度より宮城県教育委員会と協力してサポートチームを組織し、御遺族に対する個別訪問や電話、来所による相談を通して心の安定に寄与できるよう、サポートを行ってまいります。

 通常学級に在籍し支援が必要とされる児童への個別支援と学級全体の指導につきましては、特別支援教育支援員を増員し、充実を図ってまいります。

 本年度から開設した放課後子ども教室につきましては、引き続き小学生を対象に放課後等に地域住民の参画を得て、子どもたちが安全で安心して過ごせる居場所の確保に加え、スポーツ・文化活動等の学びや体験、地域の大人たちとの交流による地域教育力の向上を狙いとし、次世代を担う児童の健全育成に取り組んでまいります。

 震災後に、子育てサポーターリーダーや子育てサポーターなどにより組織された「家庭教育支援チーム」を中心として、孤立しがちな保護者や仕事で忙しい保護者など、地域とのコミュニケーションの場や学習の機会等に参加できない保護者や家庭に対する支援を継続してまいります。

 津波により被災した市民会館と文化センターにつきましては、博物館機能と文化ホール機能を併せ持った複合文化施設として再建するため、平成26年度中に基本構想・基本計画を策定し、設計者選定を実施いたします。

 石巻市スポーツ振興基本計画に基づき、関係団体や関係機関との「協働」により、「総合型地域スポーツクラブ」を積極的に支援し、「市民スポーツフェスタ」や「キッズバラエティースポーツ教室」など、スポーツを生かした健康のまちづくりを推進してまいります。

2 災害に強いまちづくり

 続きまして二つ目の柱であります「災害に強いまちづくり」のための施策の展開として、「市民が安心して生活するための防災対策」についてでありますが、今後、防災対策を推進する上での基本となる指針として、「石巻市防災基本条例」を制定いたします。

 本条例では、震災において国内外の団体及び人々から受けた支援の絆を維持、発展させ、今後起こり得る災害への支援体制を確立することや、毎年3月11日を含む7日間を防災週間と定め、防災意識の高揚、震災の経験から得た知識、教訓及び防災の大切さを全世界及び後世の人々に継承し、発信することを定めてまいります。

 石巻市総合運動公園につきましては、平常時は緑に包まれた市民の憩いとスポーツ活動による交流の場として、また、災害時には、市民の避難、救援活動など、防災拠点として機能する公園として整備を図るため、造成盛土工事を行ってまいります。

 市民の避難に欠かせない避難路の整備につきましては、先に申し上げましたとおり、「渡波稲井線」や「石巻工業港曽波神線」などの整備により、災害に強い道路ネットワークの構築を進めてまいります。

 湊・渡波地区の防災緑地につきましては、多重防御施設として津波の減衰機能の役割を担っていることから、市民が安心して住宅再建できるよう、工事着手に向けて用地取得等に取り組んでまいります。

 旧北上川沿岸市街地の被災状況を教訓として、河川内船舶の流出による被害拡大を防止し、長期係留船対策、さらには、新たな観光やまちづくり拠点となる「防災マリーナ」の整備を検討してまいります。

 東日本大震災では、高台等の安全な場所に避難できずに逃げ遅れた住民が数多くいることから、避難が遅れた方の身の安全を確保するための緊急一時的な避難施設として、現在、6か所の津波避難ビルを指定しておりますが、今後もより多くの津波避難ビルを指定してまいります。

 津波避難タワーにつきましては、既に3か所で整備計画を進めており、今後も、津波避難ビルの指定状況等を勘案し、石巻市津波避難タワー整備指針に基づき整備してまいります。

 コミュニティFM放送の「ラジオ石巻」を利用し、防災行政無線やジェイ‐アラートを自動受信して災害・防災情報をいち早く市民に伝えることができる「防災ラジオ」の普及を推進してまいります。

 避難所や避難場所、津波や洪水による浸水が予想される区域等の情報を網羅したハザードマップを新たに作成し、災害発生時の初期行動に備えるとともに、市民の皆様の更なる防災意識の向上に努めてまいります。

 消防署所の再編につきましては、地域防災拠点としての機能を構築するため、向陽町五丁目に「仮称・石巻消防署西分署」の建設工事を開始するとともに、新渡波西地区土地区画整理地内に「仮称・石巻東消防署」を建設するための実施設計を進めてまいります。

 津波により全壊した「女川消防署牡鹿出張所」につきましても高台への移転新築工事に着手いたします。

 東日本大震災での経験と課題を後世に伝えるとともに、再び津波等による大規模災害が発生した場合にも円滑な避難を可能とするため、避難誘導表示板の整備を進めてまいります。

 避難所につきましては、自立的な電源の確保により円滑な避難所運営が行えるよう、避難所に指定されている市立小・中学校及び市立高等学校に太陽光発電システムを整備してまいります。

 本市の震災復興基本計画の重点プロジェクトである「スマート・コミュニティ推進事業」により、企業との連携を図りながら、災害時にも灯りと情報が途切れない安全・安心なまちづくりを推進するとともに、学校、支所等の公共施設への太陽光発電システム・蓄電システム・エネルギー管理システムを導入し、平常時の低炭素化、災害時のエネルギー確保を行い、「エネルギーの見える化」とエネルギー情報のネットワークによる共有化を推進してまいります。

 環境に配慮したまちづくりを進めるため、雨水の有効利用を促進し、水資源の循環の確保を図ることを目的とし、降雨による冠水被害の緩和も期待できることから、雨水タンク設置者に対する補助金の交付を行ってまいります。

 さらに、太陽光発電システム、蓄電システム、エネルギー管理システムの設置者に対する補助も継続して行い、「災害に強い循環型環境推進都市」を目指してまいります。

 真に災害に強いまちづくりを進めるためには、住民、自らが防災や減災に取り組むことが重要であり、特に、これからの社会を担っていく子どもたちが、災害と向き合いたくましく生きる力を身に付けるための防災教育を充実させていくことが求められます。

 甚大な被害を受けた本市の実状に応じた防災教育を実践するため、小・中学校用の防災教育副読本の活用を推進するとともに、教員研修を充実させ、防災教育の指導力向上や学校の防災機能の強化に努めてまいります。

3 産業の再生と雇用の確保

 続きまして3つ目の柱であります「産業の再生と雇用の確保」のための施策の展開として、「市民の礎となる産業の復興に向けた基盤づくり」についてでありますが、水産物地方卸売市場につきましては、石巻売場が昨年8月に建設事業に着手し、本年8月の一部供用開始、平成27年6月の完成を目指し建設工事に取り組んでまいります。

 併せて、市場後背地に水産業の振興及び防災上の拠点となる「仮称・石巻市水産総合振興センター」を整備することとし、関連業界と連携して事業に取り組んでまいります。

 牡鹿売場につきましては、製氷冷蔵施設と一体的に整備することとし、平成26年度中の完成を目指して事業に取り組んでまいります。

 魚町水産加工団地の復旧、復興につきましては、懸案でありました沈下地盤の嵩上げ工事がほぼ終了したことにより、水産加工関連施設の復旧整備が進んできております。これに合わせて、排水処理施設や汚水管の本格的な復旧工事を実施し、水産加工団地の復興を目指してまいります。

 漁港施設の復旧につきましては、本年度に引き続き、漁港利用者の方々と協議をしながら、早期完成を目指し計画的に災害復旧工事を実施してまいります。

 漁港区域内の海岸保全施設等の復旧につきましては、地域住民の生命、財産を保全するため、早期の整備に向け計画的に災害復旧工事を実施してまいります。

 離半島部で被災した漁業集落につきましては、漁業集落防災機能強化事業により、集落道、避難路、排水施設及び水産関係共同用地等を整備し、漁業生産基盤の再生を図ることで水産業の復興を推進してまいります。

 沿岸漁業の早期復旧につきましては、市単独の補助制度を平成23年度から実施しており、共同利用の漁船・漁具を取得する事業や、カキ処理場など共同利用施設を整備する事業について、引き続き補助金による支援を行ってまいります。

 東日本大震災の津波により、アワビなどの地先漁場が甚大な被害を受けたため、国・県の支援により稚貝の放流を積極的に実施しているところであり、アワビの稚貝放流は本年度に引き続き、県の事業として実施することになっております。本市におきましては、地盤沈下で漁場を失った北上川のベッコウシジミについて、新たな漁場への種苗放流に対して積極的に支援する措置を講じてまいります。

 昨年度に調査を開始した、雄勝地区と牡鹿地区の「さけ人工ふ化場」の復旧事業についても、引き続き取り組んでまいります。

 水産業の復旧、復興を進める上で、今なお懸念事項となっているのが放射能問題であり、依然として水産物の取引と消費行動に深刻な影響を与えております。このため本市では、「放射能情報共有システム」の運用を開始するなど、他に先駆けてモニタリング体制を整え、基準値を超える水産物を市場に流通させない取組に全力を挙げており、今後とも、地元業界と連携して、更に効率的な検査システムの導入に取り組んでまいります。

 農業につきましては、被災した農業者が営農を再開するまでの所得確保策として、東日本大震災被災農家経営再開支援事業を引き続き実施していくとともに、営農再開に必要な農業用施設等の復旧を支援するため、東日本大震災農業生産対策事業等を実施し、被災農業者の負担軽減を図ってまいります。

 本市が復興交付金を活用し、被災した農業者の方への支援として整備を進めております、蛇田・須江地区の施設園芸団地と大川地区の花き園芸施設につきましては、平成26年度中の営農開始に向けて取り組んでまいります。

 宮城県が進めております、ほ場整備事業につきましては、北上・大川地区などの継続地区の整備を進めるほか、平成26年度より牡鹿、二俣南の両地区でも新たに事業着手が予定されておりますことから、今後とも関係機関と一体となり、農業の復旧、復興を推進してまいりたいと考えております。

 畜産業につきましては、被災した畜産農家の経営再建に向け、畜舎等の整備に対して引き続き支援するとともに、宮城県基幹種雄牛「茂洋」を活用した、いしのまき和牛のブランド化を図ってまいります。

 林業につきましては、間伐等による森林の保育を継続実施し、良質な木材の生産に努めるとともに、間伐材等の有効活用を図るため、合板や家具等への供給を促進してまいります。

 6次産業化の推進につきましては、地域資源を活用した新商品の開発や販路拡大及びブランド力向上のため、担い手となる人材育成や事業化支援等を行うとともに、一次産業、二次産業、三次産業がネットワークを形成して取り組むプロジェクトに対して、本市独自の助成制度の創設により推進してまいります。

 被災企業の移転に必要な産業用地として、平成26年度から須江地区の造成工事に着手し、平成27年度の分譲開始を目指すとともに、活用予定のない市有地を産業用地として整備するため、平成26年度から調査設計を実施してまいります。

 企業誘致及び企業支援につきましては、「企業立地等促進条例」や「復興特区制度」などを活用し、引き続き被災企業を支援するとともに、「産業創造助成金」の一部改正による被災企業の支援拡充や、太陽光発電、バイオマス発電、植物工場などの「新エネルギー等関連産業の集積」を図り、雇用の確保に努めてまいります。

 牡鹿泊浜地区において取り組んでおります太陽光発電事業につきましては、来月中に完成する予定で進められております。

 本市の造船業は、基幹産業である水産業を支える重要な役割を担っておりますことから、施設整備費の一部を支援する補助制度を創設し、造船各社の早期復興を後押ししてまいります。

 「石巻港」につきましては、石巻港及び立地企業の早期復興と安全安心なみなとづくりを推進し、東北唯一の国際拠点港湾「仙台塩釜港石巻港区」として大型バルク貨物の拠点性を高め、物流機能の強化を推進するとともに、国・県と連携して港湾整備の促進に努めてまいります。

 中央二丁目地区においては、「かわまちづくり」と一体となり、魚や野菜をはじめとする本市の地域資源を提供する「生鮮マーケット」の検討を進めるほか、震災により被災した観光施設の復旧を促進し、金華山休憩所につきましては、平成26年度中に完成させるとともに、雄勝硯伝統産業会館やおしかホエールランドにつきましても、今後、沿岸部の復興のシンボル的な施設となるよう整備を進めることとしております。

 慶長遣欧使節船「サン・ファン・バウティスタ」がローマに到着した1615年から400年となる平成27年度までの3年間を記念事業期間としていることから、平成26年度につきましては、県をはじめとする関係機関との連携を図りながら、記念イベント等を実施し、石巻の魅力を国内外に発信し、観光復興の加速化を進めてまいります。

 港湾利用促進による地域の活性化と観光振興を図るため、大型客船等の寄港誘致活動を継続し、港の振興と賑わいを創出する各種イベントを実施するなど、元気な石巻港を引き続き強くPRしてまいります。

 さらに、観光ボランティア協会を中心とした「学びガイド」と連携しながら、復旧した施設を最大限に活用した観光復興に努めてまいります。

 雇用対策の取組につきましては、ICTスキル習得による人材育成を図る石巻市企業情報データベース化推進事業や、被災企業の販路拡大などの震災等緊急雇用対応事業等を実施し、雇用の創出を図り、安心して暮らすことのできる環境を整えてまいります。

 

 次に、「中小企業の再生、復興」についてでありますが、震災により被害を受けた中小企業者の事業の再開を支援するため、被災した施設及び設備の復旧に要する経費の一部を補助する中小企業復旧支援事業を引き続き実施いたします。

 被災した中小企業者の二重債務問題に対応するため「宮城産業復興機構」及び「東日本大震災事業者再生支援機構」の窓口となる「宮城県産業復興相談センター」や、国、県等の関係機関、石巻商工会議所等と連携を図りながら、引き続き中小企業者の既存債務の買取りが促進されるよう対応してまいります。

 震災による被害に加え、景気の不安定要素もあることから、市融資あっせん制度災害関連枠の貸付限度額を引き上げるとともに、緊急経済対策等保証料補給事業を引き続き実施し、資金の円滑化を図ることにより、中小企業者の経営の安定を図ってまいります。

4 絆と協働の共鳴社会づくり

 続きまして4つ目の柱であります「絆と協働の共鳴社会づくり」についてでありますが、人と人との結びつき・「絆」を大切にするとともに、市民、NPO、地域によるコミュニティの再生・再構築と協働のまちづくりは、本市の重要な課題であると考えております。

 そのため、地域自治システムの推進に向けて、先行する河南地区に続き、山下・桃生地区の地域自治組織の設立を支援してまいります。

 また、新たなコミュニティ支援として、町内会や行政区活動の活性化を図るとともに、良質なNPO団体等による支援を目指した「地域づくりコーディネート」事業を実施し、住民自治組織の機能の強化、再生、再構築を図ってまいります。

 町内会や行政区による積極的な地域づくりを支援するため「コミュニティ形成支援補助事業」を拡充し、コミュニティ活動の活性化を促進してまいります。

 さらに、被災地の復興を進める中で、復興に関わる様々な主体が連携して、地域に芽生える新たな活動を伸ばしつつ、高齢者を地域づくりの標準に据えたモデル的な取組を総合的に進めることにより、高齢者が生き生きと暮らせる包括力のある地域コミュニティの形成のための支援を行ってまいります。

 現在、仮設住宅やみなし仮設に住まわれている高齢者や障害者、また、一部の若年者も含め、支援を必要とする方々が心と体を健やかに保ち、生きる希望と気力、体力を持って復興公営住宅等に移転し、生活を再建していただけるよう、地域で支えあう仕組みづくりである地域包括ケアシステムを推進してまいります。

 地域包括ケアシステムにつきましては、地域包括ケア推進協議会が来月中に策定する予定の地域包括ケアシステム推進計画・基本構想に基づき、高齢者等が可能な限り住み慣れた地域で暮らし続けることができるような仕組みを各地域に構築するため、地域包括ケア推進協議会と連携しながら、可能なものから実施するとともに、昨年開所した開成包括ケアセンターの活動を強化してまいります。

 国際化の進展に伴い、国籍・出身地等に関係なく、個性や文化風習を尊重し、互いに助け合い、誰もが安心して住み続けることができる多文化共生社会の推進を図り、住民一人一人が「まちづくりの主人公」として最大限に力を発揮できる地域社会の実現に取り組んでまいります。

 南浜地区の公園計画につきましては、現在、国土交通省が基本計画の検討を進めておりますが、この公園に求められている追悼・鎮魂、教訓の伝承、復興の象徴、防災・減災等の機能を整備することにより、市民が集える場にとどまらず、これまで本市に支援いただいた国内外の方々に復興した証を効果的に発信できる公園となるよう取り組んでまいります。

 中瀬地区の公園につきましても、中心市街地と一体となった市民の憩いの場として、市民の意見を聴きながら、公園計画を進めてまいります。

 

むすび

 これらの施策を展開するために必要な平成26年度予算につきましては、「震災復興基本計画」に掲げる「再生期」の初年度として、未来へつなぐ新しい石巻市を目指し、復旧されたインフラと市民の力を基に、震災前の活力を取り戻し、地域の活力を高めるための予算と位置づけ、「震災復興基本計画」に基づく事業を最優先に実施し、財源についても重点配分することを基本に編成いたしました。

 さらには、自主財源の根幹をなす市税については、復興の進展に伴い一定の回復が見込めるものの、震災前の水準を回復するためには、まだ時間が必要であることから、市税収入の減少に対応した歳入の確保と併せ、歳出についても経常的経費の削減に努めてきたところであります。

 この結果、平成26年度予算は、

 一般会計で2,268億円、

 土地取得特別会計をはじめとする12特別会計で802億円、

 病院事業会計で24億円、

 全会計の総額で3,094億円を計上することといたしました。

 本市の財政運営は、「復興事業への重点化」と「財源捻出対策」、この二つを両立しながら財政の健全性を維持するため、経常的経費の抑制と合わせ、「震災復興基本計画」以外の事業は引き続き厳選して取り組むなど、施策の厳しい選択を継続する必要があると考えております。

 復興事業を進めるため必要な土地の取得を図るとともに、被災した施設の再建や老朽化した施設の整備を進めるため、それぞれ基金を設置いたします。

 今後、普通交付税の段階的削減や消費税増税に伴う歳出増加が見込まれることから、「新たな行財政運営プラン」の策定に着手し、公共施設の復旧・復興にも対応した効率的な行政運営を図ってまいります。

 公金の収納に関する一連の見直しを行い、納税通知書等の印刷から発送までの業務と公金収納データ処理業務の外部委託、大震災で中断したコンビニ収納の平成27年4月運用開始を目指しその準備を行い、業務の効率化を図ってまいります。

 組織機構の見直しにつきましては、昨年8月に大幅な組織改編を行っておりますが、復興業務の加速化を図るため、復旧・復興事業の進捗に併せ、臨機応変に対応することが必要であります。

 雄勝・牡鹿・北上地区の観光施設の復旧や農業政策など産業部門の加速化に向けた組織再編をはじめ、石巻駅前周辺や複合文化施設の整備に向けた組織体制の強化など、事業の熟度に併せた機動的な組織体制を確立してまいります。

 地域包括ケアモデル事業を市域全体へと具体化していくための体制強化や、ICTを活用したまちづくりを総合的に推進していくための体制構築も図ってまいります。

 

 以上が平成26年度に臨む私の基本姿勢と平成26年度の予算案であります。

 

 平成26年度は、石巻市震災復興基本計画に定めました「復旧期」から「再生期」にシフトする重要な年となります。

 最大の被災地である石巻市の復興は、市民の皆様、議員各位、そして全職員の心を一つにし、多様な課題を解決しながら、本日ご説明申し上げました諸施策を一つ一つ着実に実行することが復興の実現につながり、これまで差しのべられた全国、全世界からの支援に対する恩返しであると確信しております。

 まだまだ、非常に厳しい道程ではあるものの、私自身、復興を成し遂げるという強い意志を持ち、「石巻の明るく輝かしい未来の実現」に向け、全力で市政運営に当たってまいる所存であります。

 

 最後に、市民の皆さま並びに議員各位の一層の御理解と御支援を賜りますよう衷心よりお願い申し上げまして、平成26年度の施政方針といたします。

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部署名:復興企画部 政策企画課
電話番号:0225-95-1111

企画調整担当
政策推進担当